セミを『狩る』
セミ、食えるらしいな。
男なら誰もが夢見る昆虫食。我々は昆虫食界でも入門とも言えるセミを選んだ。
いざ出陣
我々はセミが潜むと言われている森に足を踏み入れた。
数分も探せばセミが見つかった。
飯だ!!!!!!!!!!
極上のセミは脱皮したてのソフトシェルと呼ばれる種類だがこいつはこいつで飯になる。長い間土の中で育ってきて我々の養分になることに感謝をしながら捕獲。
健気でかわい〜!!!
でもこいつも我々の胃袋に in するわけですね。ウィダー in ゼリーが退陣するのも時間の問題だ
おっと、その前に氷水に in しておく。奴らは冷えると大人しくなるのだ。食材は〆ねばならない。これが生きるということだ、セミ。土の中で甘えてたお前らは初めての経験だろう。
セミを捕獲すること数十分
我々は森という名の公園を移動しながら神社に向かっていた。しかしここで不穏なことが起こる。
雲行きが怪しい。きっと雷神が我々の傍若無人な振る舞いを問題視し始めたのだろう。急ごう、閃光が我々を引き裂くのもそう遠くない未来だろう。
その後……
我々はセミを順調に捕獲して行った。しかし問題が発生した。そう、天はは我々の行いを快く思わなかった。
雷神襲来
驚くほどの豪雨に果てしない雷。遂に堪忍袋の緒を切ってしまったのだ。産まれたばかりの命を積みとる行為を繰り返す我々の愚行に神は裁きを選んだのだ。
我々は神社の水汲み場に避難した。古来から天の怒りを鎮めるにはただ耐え忍ぶことが一番の得手である。先人の教えに従い我々も倣った。
帰宅
我々は天の裁きが弱まった瞬間を狙い、人間の住処へと帰還できた。天よ、我々は貴様らの弾圧には負けない。まずは持ち帰ったセミをこてっりと茹でてやろう。
調理編
さて、前置きがかなり長くなったがここからは調理をしていこうと思う。まずはセミを水で洗おう。幼虫は特に土から出てきたてなのでよく洗うことを推奨する。成虫は羽をもぎとり水ですすぐ。ソフトシェルは羽すら食べることが出来るく極上の食材だ。トリコの捕獲レベルなら五十京だ。羽がちぎれないように丁寧、丁寧丁寧にあらう。
茹でる
セミを茹でてく。てきと〜でいいや〜と笑いながら茹でていたがどうやら幼虫はお湯に沈み成虫、ソフトシェルは浮いてくるようだ。成虫とソフトシェルは沈めたら泡がでてきたよで中に空気が入っているようだ。
茹で上がったソフトシェルはなんと甘い芋のような匂いがした。食欲がそそられる。これは食べるものでは無いと思っていたがやはり食べ物だったのだな!
衣をつけて揚げる
片栗粉をまぶして油の中にセミを放り込む。ここまでがし下処理なのだがこのフェーズ、熱い!痛い!
セミが死ぬ覚悟で油を我々に跳ねさせてくる。俺を食うならこれを越えろ!と言わんばかりに飛ばしてくるのでお鍋の蓋をドラクエ的使い方をしてしまった。
人類は道具を使う知能があるのだ。残念だったなセミ。
この時セミの最後のあがきでフライパンに洋酒をぶちまけたかのような火柱が立ったのだがきっとメラメラの実の能力ゼミが居たのだろう。メラメラの実を狙っている人は今がチャンスかもしれない。
そして伝説へ
CookDoのエビチリの元に揚げたセミをぶち込んでいく。匂いは完璧にエビチリ。見た目も四捨五入すればエビチリ。これはもうエビチリだ。ここに来て怖気付いた自分にそう言い聞かせる。
完成品
普通に美味そうである。
これ以上語ることは無い、実食
普通に上手い
しかし茹でて揚げられても成虫、なかなか噛みきれない外皮が自然界を語ってくる。
しかし目的は成虫ではない、メインは幼虫だ。
濃厚な風味が口の中を支配する。外皮も噛みきれないほどではなく噛みごたえがある。そして後味が完璧にエビ、うん、美味い。全然イける。
そして幼虫を全部食べ終わり食後のデザート
ソフトシェルである
いざ実食
これは……エビ?
外皮を見てしまったが故にセミだわかるがこれをエビと食わされても私は選別できる自信が無い。
これはエビだ。セミチリを作ったつもりだが
エビチリを作っていたようだ。
私ったらうっかりしてたな〜
まとめ
みなさんも「セミ、うるせぇなぁ、鬱陶しいな」と思ったことがあるだろう。そうなった時に恨みとして煮て焼いて食ってやろうでは無いですか。
いや、我々の分が無くなると困るのでや
やっぱり取らないでくれ。