犬への憧れ

犬が大好きだ。
犬くらいシンプルに生きたいと思うことがある。
散歩して、ごはん食べて、寝て、誰かが家にきたらとりあえず吠えとく。
好きなやつには惜しげもなくしっぽを振り、嫌いなやつにはしょんべんでも引っかけとく。
サイレンが鳴ったら私の方が大声だせるぜって張り合って、したいと思ったら道のちょうどど真ん中でうんこをいたす。なんでみんなこっち見てんの?って顔で、うんこし切ってやるのだ。

と考えながら、いや待てよ、と思う。
深夜1時、私はとってもお腹がすいていたので、今川焼きをレンチンして美味しく頂いていたところだった。
これは、世の犬たちの憧れの的ではなかろうか。
好きな時間に、誰に怒られるでもなく(人間なので自責はするものの)、食べたいもんを食べているのだ。
今井先輩、かっけえっす!と舌を出して目を輝かす犬たちが脳裏に浮かぶ。かわいすぎる。お前ら!とヤンクミのような声を出してモフモフさせてもらう想像をする。

いやでもな、と思う。
私が昔実家で飼っていた犬は、家族が寝静まったあと、家の中を探検する系の犬だった。物音をたてるなどして家族が起きてきたら即アウト。が、それを乗り越えた先にはまれにラッキーおやつなどのお宝をゲットすることができる。いつもだったら怒られてしまうが、革の鞄をガジガジすることもできる。あれなんか癖になるんよな、と犬は思っていたに違いない。

そういった毎日の冒険を思うと、やっぱり犬ってわくわくする。と再び憧れてしまうのだった。



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