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海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった⑪最終プレゼン
シムサン電子シンガポールから、いつもメールでやり取りしているプロジェクト責任者、その上司の担当役員、そしてカンボジアのディストリビューターの会社の役員の3名が、朝9時ちょうどに来社した。
迎えいれる準備は抜かりない。
知りうる限りナンバー1のコーヒーをケータリング
スタッフにきちんと靴をはかせる
全員シムサン電子のスマホにきりかえる
プロジェクターを調達し、資料は製本する
日本式掃除で隅々までピカピカ
久しぶりに僕はスーツを着る
サーシャもカチッとしたスーツをきている
「大切な人をお迎えするのだからすべてにおいてベストな環境をつくることが大事。お・も・て・な・し」サーシャが言った。
プレゼンはなごやかにスタート
僕が最初の導入を話したあと、僕の実力がばれないようにサーシャにすぐバトンタッチ。
そして質疑応答。
終了までたっぷりニ時間半。
笑顔で見送りしたら緊張の糸がほぐれて、座り込んでしまった。
競争厳しいシムサン電子でそれなりのポジションまできた人たちである。その人たちがこんなにたっぷり向き合ってくれただけありがたい。
結果なんてどうでもいいやと思った。
そして、今日でとりあえずサーシャのアルバイトは終了。アルバイト代をABA銀行のアプリから振り込み、明細を渡す。
なんか、寂しいな。
「プロジェクトが決まったらまたアルバイトしてあげる」
「ありがとう。決まらなかったら?」
それには答えずに、明細を几帳面に畳んで後ろのポケットに差し込み出ていった。