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映画🎬-2 『ラーゲリより愛を込めて』

『ラーゲリより愛を込めて』/瀬々敬久/2022年

前書き

1ヶ月程前に見たはずなのに、もう記憶が薄れている。
感情は生モノだからすぐに記さないと、記憶からこぼれ落ちてしまう。
それもそれだけれど、今後は早めに思考を書き留めるようにしたい。

この作品は公開当時話題になっていたし、Amazon primeにもおすすめされたので見ることになった。

感想

1.泣かなかった

まず、この映画を見終わった時私はきっと泣くんだろうなと思っていたのに、意外にも少しも泣かなかった。
いつも人が泣いていない段階で悲しい未来を想像して、たいてい開始1/3くらいで泣いている私が。泣かなかった。
食事をしながら見ていた為、途中で切り上げて、また途中から見て、と何回かに分けて見ていたのも原因かもしれない。没入感が少ないというか。
でも、確かに感動し、心に響くものはあったはずなのに泣かなかったのは、今でも不思議だ。

2.全員の演技が本当に良かった

母とも話していたが、皆上手すぎる。

どの立場で言ってんだって感じだが、こういう作品で、急に話題性の為だろうなと読めてしまう配役の方がいると、すんっとしてしまって物語に入り込めなくなることがあって、とても残念な気持ちになるのだけれど、そういうものがこの作品では全くなかった。

最後までその物語として観れたのがよかった。

3.山本さんという人のすごさ

平時でさえ、あんなにも人の笑顔をつくり、人の為に動き、信念を貫いて生きるのはとても難しいと思う。

それなのに、あの極限状態で、何故あんな振る舞いができたのだろう。

どれだけすごい人なのだろう。

私は、きっとあぁはなれない。というか、あろうとしても、途中で挫けてしまうだろうし、心身共に次第に諦めの方向に傾いていくように思う。

スパイの疑いをかけられ、殴られ、上司からは馬鹿にされ、仲間への情から厳しい罰を受け、そんな自分の苦しい状況が信頼していた人の告発によるもので……そんな環境で、それでも前を向いて、自分だけじゃなくて周りまで鼓舞して、変えて、最終的には敵軍もその熱量によって説得してしまう(山本の病院)。

一言で表せるものではないし、こんな言葉が陳腐に思えるような人だとは思うが、本当に『よくできた人』だと思った。

そりゃ、あんなに人が病気になっているのを見たら、自分の命に変えてでも救って欲しいと周りが思ってしまうのは当然だろうし、罰を受けてでも遺書を家族に届けたいと思い、それを実行するのも納得だった。

どんな環境で生き、どんな人と出会い、どんな生き方をしてきたら、あんな人になれるのだろう。
あんな人であろうとしても、近い信念を持っていたとしても、実際にあんな行動を起こせるかは定かではないし、難しいと思う。

私は、きっとあぁはなれない。

ただ、これほど素晴らしい人が、過去に実在したという事実を、少し嬉しく思った。
彼らの置かれた状況を嬉しく思っているわけでも、それらにまつわる出来事を肯定するわけでもないが、そんな人がいたという事実は、嬉しいことに感じた。

4.ラストのクロがまさかの実話

終盤の、クロが氷の中をかけてきて、山本さんだー!と叫びながら甲板に引き上げるシーン。

そこまで丁寧に丁寧に描いてきたのに、どうして感動させる為の、そんな小細工をしてしまうのだろうと、はじめとても残念に思ったし、母ともそう話した。

しかし、この点をどう評価されているのだろうか、何故ここでフェイクをいれたのだろうかと試聴後調べたところ、まさかのこのシーンこそが実話だった。

なんなら写真もあった。
こりゃたまげた。

そんな映画みたいなことある!?!?と口に出してしまった。

昔、南極物語 南極大陸(記憶違いだった)というドラマを見たことがある。たしかキムタクが主演で、私はそれから数年の間キムタクを南極物語の人と読んでいたし、半沢直樹を見るまで堺雅人を南極大陸の7:3分けの人と読んでいた。

クロを見て、唐突にタロとジロが氷上に取り残されたシーンを思い出して、あぁこうやって2匹も走ってきて船に抱え上げられて帰還、そんな奇跡が起こっていたらどんなに良かっただろうかと、しんみりしてしまった。

クロは、助けられていて、本当に良かった。

最後に

やはり印象に残っているところ以外の感想は途切れ途切れで、すでにあやふやだった。
思い出し次第加筆修正する。

また、ふとこの映画を振り返った時、これもまた随分前に見た、海難1890という映画を思い出した。戦争にまつわる話はどれも胸が痛むし苦しくなるけれど、重くのしかかってくる分、ずっと心に残るのかもしれないなと思った。
「硫黄島からの手紙」もまた観てみようと思う。

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