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【プログラムノート・2nd】宗教曲アラカルトステージに寄せて
2021年4月24日(土)に会場で、25日(日)よりオンライン配信で行われるmugs 2nd concert。幕開けである1stステージでは、宗教曲アラカルトをお届けします。
▶1st stage 宗教曲アラカルト
2nd stage POPSアラカルト
3rd stage わたしとあなたを繋ぐ旋律
Gloria / Laura Jekabsone
1曲目にお送りするのは、合唱王国として知られるバルト三国のラトビアを代表する6人組の女声アカペラヴォーカルグループ・Latvian Voicesの楽曲。
Latvian Voicesはクラシック、民族音楽を始め、宗教詩によるオリジナル楽曲など幅広いレパートリーを持っており、この「Gloria」もその中の一曲です。
力強いソプラノソロから始まり、活き活きとしたリズムでキリストへ呼びかけるように「Deo」と、繰り返し歌われていきます。メロディックな高声部と対照的な、打楽器を思わせる低声部、ボディパーカッションによるハーモニーは大地が祈りで満たされていく様子を思わせます。
宗教曲と聞いてイメージする雰囲気とは少し違う、ラトビアの民族的な響きを感じさせる「Gloria」をお楽しみください。
Gloria in excelsis Deo.
Et in terra pax hominibus bonae voluntatis.
Laudamus te,
benedicimus te,
adoramus te,
glorificamus te.
天のいと高きところでは神に栄光がありますように。
そして地上では善意の人々に平和がありますように。
私たちはあなたを賛美します、
あなたを賞賛します、
あなたに祈りを捧げます、
あなたに栄光がありますように。
Ave generosa / Ola Gjeilo
1st concertでお届けしたNorthern Lightsの作曲者、ノルウェーのOla Gjeilo(オラ・イェイロ)による楽曲。
11月に指揮者の森田さんとのコラボ企画でも歌った楽曲を、今回は指揮なしのmugsのみで演奏します。
詩は神聖ローマ帝国の修道女ヒルデガルド・フォン・ビンゲンによる聖母マリアへの頌歌です。
ソプラノからアルトへ順々に繰り返し歌われる旋律はエオリア旋法からやがてドリア旋法へと変化し、それは次第に増す聖母マリアへの憧憬がドリア旋法の印象的な特徴でもある半音上がった第六音に表現されているかのようです。
1曲目とは打って変わった、正統派宗教曲の響きをお聞きください。
Ave,generosa
gloriosa et intacta puella,
tu pupilla castitatis,
tu materia sanctitatis,
que Deo placuit.
めでたし、高貴で輝かしく、
そして清らかなる娘よ、
あなたの瞳は純潔で、
汝は神聖なる母、
そして主の喜び。
Sanctus / André Caplet
3曲目にお送りするのは、フランスの作曲家(指揮者)で、ドビュッシーの友人としても知られるAndré Caplet(アンドレ・カプレ)の代表作、『三声のミサ』より「Sanctus」です。
ミサはキリスト教典礼の最も重要な典礼儀式。「Sanctus」はミサ典礼の中で感謝の賛歌として、最後の晩餐の再現である奉献文の前に歌われます。
各パートの音のぶつかりによって「Sanctus(聖なるかな)」という言葉が、繊細に何度も新しく紡ぎ出され、完全5度・完全8度での平行した旋律の動きは、どことなく東洋の響きも感じられます。benedictusのユニゾンの旋律は、天に向かって上ってゆくかのような祈りが込められており、和音進行には、主の祝福を求めるまでに至る、苦しみや葛藤が描かれています。
また、この曲の「Hosanna in excelsis」には、本来西洋音楽の24の調性には存在しない、Gis dur(嬰ト長調)の和音が用いられています。天の高さやキリストへの敬慕がこの世に存在するはずのない調性によって表現されているようです。フランス音楽特有の響き、カプレによる多彩で繊細な技巧をお楽しみください。
Sanctus, Sanctus, Sanctus
Dominus Deus Sabaoth.
Pleni sunt caeli et terra Gloria tua.
Hosanna in excelsis.
聖なるかな 聖なるかな 聖なるかな
万軍の神よ、主よ。
天と地はあなたの栄光に満ちています。
いと高きところにオザンナ。
文責:和島美冴
演奏会情報
*日時
2021年4月24日(土)
14:00開場 14:30開演
※コロナウイルス対策のため、入場時検温・手指消毒等にご協力頂きます。
誠に恐れ入りますが、お早めのご来場とマスクの着用をお願いいたします。
*会場
古賀政男音楽博物館 けやきホール
*チケット
会場鑑賞チケット:2,000円
オンライン鑑賞チケット:1,000円
※オンライン鑑賞は演奏会翌日(4/25(日))より可能
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