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漢字シリーズ『条』
R6.12.20
かるた部の鉄の五ヶ条かき氷
小染湧水
一条の子らと二条の地蔵盆
もりさわ
一匙の粥一条の光の秋
十七歳の乙女
一条の光吉野は雪深し
城ヶ崎文椛
船積みを待ちし条鋼雪しまく
細葉海蘭
冬ざれや鉄条網の中の毬
川端こうせゐ
鉄条網越しに赤ん坊夏の蝶
一港
鉄条網の中のたんぽぽ外のたんぽぽ
元野おぺら
春の野や鉄条網に分かたれず
彼方ひらく
条件を呑んで蟷螂生まるるか
銀紙
条文を暗誦してさうな蛙
ギル
条件は一つ生け捕り狐火
日向陽光
雪だるまであること以外別条なし
あなぐまはる
檸檬ざくり哀しみ箇条書きにせよ
ひそか
魂魄は甘し九条葱の雫
いかちゃん
香水冷ゆる一条帝の忌日かな
亘航希
R6.12.27
春めくや条蝦二匹透きとほる
山姥和
空は母だ青条揚羽産み落とす
イサク
条例は知らぬ猫の子はかわいい
天雅
発条じやらし仔猫捻じれるほど跳ねる
広島じょーかーず
水つぱな安酒たばこ猫のえさ
立田鯊夢
発条巻けば冬恐ろしく深まりぬ
錆田水遊
第一条雪とは調和を保つこと
北野きのこ
三本の発条の切り口より凍る
曇ゆら
達磨ストーブ運び入れ条例審査
やまべん
条約の改正を聞く雑煮かな
平野芍薬
海市へと渡る条約結びけり
播磨陽子
条約の湖よ五万の水鳥よ
青居舞
一条の光くぐりてののうさぎ
高原としなり
からつ風星条旗とは薄き布
長谷川水素
冬の月傷に巻かれた星条旗
三日月なな子
『天』
条の字は冬の終はりの木と思ふ
山本先生
星条旗半旗向日葵三千本
井納蒼求