麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしており…

麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしております。 佳句を鑑賞し、一緒に俳筋力を鍛えましょう! ※各作者へ掲載の承認を得ておりません。ご不快に感じられた方は、大変お手数ですがこちらへご連絡ください。直ちに掲載を取り止めさせていただきます。

最近の記事

カタカナシリーズ『ネ』

R6.11.25 ラムネかきんっ これは開国の始まり          青井えのこ ラムネ飲んでも中耳炎痒い          坐花酔月 ボンネット灼ける匂ひのほの甘し          どすこい早川 ボンネットの熱れ八月十五日          押見げばげば ネーブルをこっそり白き保健室          Rx 手術同意書ネーブルを文鎮に          西川由野 ネーブルに甘やかされて佳き職場          七瀬ゆきこ ネーブルの光や裸婦の手の中の         

    • 伊予銀行主催オンライン句会ライブ2024

      『トップ賞』 新しいブーツ道後の秋高し           Rx 『入賞』 秋の雲湯に方言の混ざりあふ           磐田小 松山の冬青空の無縫かな           伊藤映雪 新涼ややる気の出ない日の足湯           麦のパパ 新酒酌む道後の街に詩のにほひ           朝霧さら 子規像のバット短し秋高し           クラウド坂の上 雪見風呂宇宙船つてさみしさう           稲畑とりこ 色鳥作業員みなブラポル語           原水

      • 『朝顔の実』

        『朝顔の実』 R6.10.11 あさがほの実しぼみしものの色吸うて           青海也緒 朝顔の実のどこに藍潜みゐる           ひそか 子が腹におるは楽しき朝顔の実           篠原そも 妊婦立つ朝顔の実と息揃へ           乃咲カヌレ 産まぬ選択あさがほの実は爆ぜて           オキザリス 朝顔の実青く臨月は近し           大西秋桜 朝顔の実や壁薄きあさひ荘           常盤はぜ 朝顔の実お持ちください診療所   

        • 『鯊』

          『鯊』 R6.9.27 鯊の目の昏き隆起や波を待つ           常幸龍BCAD 砂煙らせて砂色の鯊動く           山口花見月 砂喰つて砂吐く鯊の無表情           宇都宮駿介 鯊百尾開く小出刃の無言かな           日永田陽光 鯊焼くやにはかの雨のかぐはしき           林廉子 月末の汁かけ汁や鯊煮える           そも 鯊煮るや故郷の味噌は甘すぎて           西野誓光 鯊食えよ仕事選ってる場合かよ         

        カタカナシリーズ『ネ』

          『白露』(二十四節気)

          『白露』 R6.9.13 行き合ひの風の綴ぢしろ白露なり           佐藤ゆま ゴム底に白露の石を喰はせけり           大山正木 くたくたの田靴よ白露の忌中札           稲穂 牛乳の瓶に擦れ傷ある白露           かま猫 防災の袋へ句集白露の夜           杏乃みずな セロハンの黄ばむ白露の文庫本           伊藤映雪 望郷を綴る白露のペンの黒           沢唯果 反りし筆白露の墨へ沈めけり           藍創

          『白露』(二十四節気)

          漢字シリーズ『松』

          R6.8.30 新松子むしりたがりしかたかりし           人日子 百歳の松の松ぼつくり怖い           広島じょーかーず 薪棚の上に松毬(まついが)冬支度           藍月 冬ざれや黒松いたく拗けたり           竹田むべ 臥龍松はだへも雪をこぼさざる           彼方ひらく 色変へぬ松の正しき曲りかな           きさらぎ恋衣 松の根を蟻かくかくとあざなへり           ろまねす子 千年の愉楽の気分松手入      

          漢字シリーズ『松』

          『俳句甲子園』

          『俳句甲子園』 R6.8.16 俳句甲子園机の下の拳かな          麦仙人 マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り          高橋寅次 俳句甲子園マイク目配せして渡す          鈴白菜実 熱弁の助詞「を」の理由俳句甲子園          岸来夢 俳句甲子園助詞の飛距離を測りをり          音羽凛 俳句甲子園歴史揺るがす助詞一つ          木ぼこやしき 俳句甲子園詩を整へるひとこきふ          きのえのき 討論といふ研磨剤俳句甲子園   

          『俳句甲子園』

          『納豆造る』

          『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて           彼方ひらく 納豆造る木桶の蓋の深縹           駒村タクト 納豆造るぐわと塩浮く桶の縁           澤村DAZZA 寺じゆうに納豆造る塩にほふ           ベス 納豆造る塩水は目に痛い           おこそとの お経より納豆造るのが巧い           けーい

          『納豆造る』

          『ハンモック』

          『ハンモック』 R6.7.19 椰子の樹は海へ傾きハンモック           山内彩月 雲図鑑に載つてない雲ハンモック           古賀 ハンモックの下を子の抜け犬の抜け           梅鶏 父さんをこちょこちょの刑ハンモック           植木彩由 ハンモック母を半日棚上げし           西川由野 子らは海賊にハンモックは船に           一久恵 ハンモック答えは自分で探すんだ           おなみちゃん 馬鹿だった日々も星屑ハ

          『ハンモック』

          一句一遊23周年記念 『二十三』

          『二十三』 R6.7.5 青芝や二十三人目に主審           亀田荒太 面接の二十三人目が甚平           樫の木 二十三までは数えたはず目高           にゃん 一族の二十三人目や麦茶           日永田陽光 23㎝のバービー123㎝のあっぱっぱ           駒水一生 冷蔵庫ぶおおん二十三時の蚊           はぐれ杤餅 二十三時の悪人面の蜘蛛とゐる           森野みつき おでんたぷたぷ二十三時のベッドタウン     

          一句一遊23周年記念 『二十三』

          『清水』

          『清水』 R6.6.21 波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ           梅鶏 みづにみづ磨かれ清水てふ楽器           千夏乃ありあり 山清水飲む喉ぼとけ喉ぼとけ           高尾里甫 肘へ来て肘より落つる清水かな           二重格子 痺るるほど清水あうらに痛き石           津島野イリス しじら織りめきて清水は朝孵る           鈴白菜実 石清水両手で持つくらいの石           なお 走り根に右足預け清水汲む     

          『まじ』

          『まじ』 R6.6.7 磯のものしきり匂はし瀬戸のまじ           いそこ 真風吹かば釜屋に塩の匂ひ立つ           近江菫花 まじの夜を釘の頭の迫り出して           ろまねす子 船着場の台車の錆やまじ強し           でんでん琴女 まじ吹くや祖父の船なきもやい石           井上れんげ まじ止みて千代丸の帆の皺に潮           木ぼこやしき 山羊潰し終へたる島の昼をまじ           アロイジオ 夜をまじコインシャワー

          漢字シリーズ『西』

          R6.5.24 大西日誰のものでもない教室           幸の実 青春や西日が折れる音がした           めろめろ 友愛やねじれの位置に射す西日           えむさい こめかみに西日配達先は留守           しるこう へばりつくガムの如くに大西日           大黒とむとむ 迫害と西日うつくし喫煙所           もりさわ ラーメンへ西日五グラム加えけり           樹海ソース 咳込みしはらあめんのせい大西日         

          漢字シリーズ『西』

          『夏の鴨』

          『夏の鴨』 R6.5.10 樹々の気に膨らむ川や夏の鴨           樫の木 葦原を大きな風よ夏の鴨           富山の露玉 川と川混ざらぬ水や夏の鴨           さおきち 樋門へと水吸はれゆく夏の鴨           吉野川 橋脚の完成間近夏の鴨           たかみたかみ 橋桁の格子の影や鴨涼し           穂積天玲 大橋の日がな点滅夏の鴨           あいむ李景 金なくて憩ふは夏の鴨の川           みかどなな クビ

          『夏の鴨』

          『アスパラガス』

          R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスといふ形           穂積天玲 紫の鉤爪がちりアスパラガス           津島野イリス 人間に尾骨アスパラガスに筋           眩む凡 白日へ白アスパラガス 痛い           島田雪灯 鬱屈な太陽おらんだきじかくし           ぞんぬ 雨の糸枝垂るるオランダ雉隠し    

          『アスパラガス』

          『啄木忌』

          R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           巴里乃嬬 砂時計の中に砂山啄木忌           野地垂木 砂は城つくらず豊か啄木忌           七瀬ゆきこ 砂色の余白のありし啄木忌           でんでん琴女 借りたまま遺品となりぬ啄木忌           北欧小町 砂握る手と花買ふ手啄木忌           西鯖男 ぐしゃぐしゃ

          『啄木忌』