『朝顔の実』
『朝顔の実』
R6.10.11
あさがほの実しぼみしものの色吸うて
青海也緒
朝顔の実のどこに藍潜みゐる
ひそか
子が腹におるは楽しき朝顔の実
篠原そも
妊婦立つ朝顔の実と息揃へ
乃咲カヌレ
産まぬ選択あさがほの実は爆ぜて
オキザリス
朝顔の実青く臨月は近し
大西秋桜
朝顔の実や壁薄きあさひ荘
常盤はぜ
朝顔の実お持ちください診療所
鈴木麗門
朝顔の実を持ち帰る投票所
近江菫花
カラカラの朝顔の実の給油店
星月彩也華
朝顔の実今日も閉めてる古本屋
高田ちぐさ
朝顔の実寺の箒に寺の号
小川野雪兎
朝顔の実や相続の顔揃ふ
寺尾当卯
朝顔の実や3号機がまた嗚咽
七瀬ゆきこ
ベトナムの月朝顔の実の形
大紀直家
朝顔の実ぽろぽろ清朝滅ぶ
亘航希
朝顔の実ぱりり幸福追求権
横縞
R6.10.18
萼の脱力朝顔の実のぷくり
千夏乃ありあり
あさがほの実のふくらかに乾びけり
いかちゃん
朝顔の実はじく昼のコンクリート
小物打楽器
あげられるもの朝顔の種くらい
らん丸
うまい棒と朝顔の実を送られて
村木年子
棄ててあるあさがほに実のある朝だ
古瀬まさあき
朝顔の実とかいいから出てってよ
宮下ぼしゅん
普通なんてないないいない朝顔の実
ぱぷりかまめ
朝顔の実よ実よ淋し吾は淋し
梵庸子
思い出は朝顔の実より少ない
よしかわよし
自己愛の函はからっぽ朝顔の実
澤村DAZZA
朝顔の実や緑銅に病むフェンス
古賀
朝顔の実に夜の雨の名残かな
ももたもも
『天』
朝顔の実の垂れてよりまた太る
樫の木