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『春駒』
R7.1.3
春駒や燦と鈴の音跳ねに跳ね
樫の木
春駒や尻尾の鈴は鳴りもする
茶鑼芭亜
春駒の鈴しやんしやんといただきぬ
モッツァレラえのくし
春駒や鈴しやらしやらと砂金めく
浦野紗知
春駒の嘶きとして鈴響む
髙田祥聖
春駒や鈴の手綱の弧の豊か
古賀
春駒や鈴に明るき傷あまた
常幸龍BCAD
春駒や鈴欲し馬の頭欲し
藍創千悠子
初孫を掲げ明るき春駒へ
山羊座の千賀子
海風の佳し春駒の迎ふる戸
三浦海栗
春駒の口上太し島明るし
はぐれ杤餅
春駒の口上硬し潮臭し
巴里乃嬬
春駒の喉潮錆びて祝唄
浅海あさり
春駒の奔放ひかりを御者として
七瀬ゆきこ
風明るし舞終せたる春駒へ
ひそか
R7.1.10
春駒の潜る全き紙垂の白
ナノコタス
春駒舞たてがみの紙垂あふれしむ
いかちゃん
春駒の腰につまらなさうな馬
樹海ソース
喪の家に一礼春駒の一行
このみ杏仁
春駒の蹴出し赤々雪を来ぬ
三月兎
雪に裾擦って春駒みぎひだり
澤村DAZZA
春駒の草鞋に雪の二三片
家守らびすけ
春駒に付いて素面の巡査かな
戸部紅屑
春駒や撥は蹄の音ならむ
凡鑽
黒豆に小さき金箔春駒来
井上れんげ
春駒や一合枡の檜の香
山村楓
春駒に米三合のお礼かな
小手毬
春駒の金三郎に銭をやれ
オキザリス
春駒の舞つて湯元の人出かな
阿部八富利
『天』
先頭は春駒橋の渡り初め
誉茂子
「銀曜日」R7.1.2放送
春駒の鈴の音波に消されをり
野路菊
海時化てをり春駒は猛てをり
えらいぞはるかちゃん
春駒や撒かれる福の取り合いこ
おちゃめなちいばあちゃん
春駒や髭のふでぶでしく描かれ
爪太郎