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ときめきを食べている

麦野です。こんにちは。とある有名パティシエのお店で働いていたことがあります。たくさんのかたが私たちの作るスイーツを召し上がってくれました。

小麦粉と、バターとクリームと卵とお砂糖でできるスイーツ。ウェブやテレビや雑誌で見かける彼らはキラキラして美味しそうで心がときめいてしまいます。

それとは逆に、食べ過ぎてしまって困っている方もたくさんいらっしゃると思われます。きらきらときめくスイーツとガリガリにやせたモデルさんが両方並んでいるからそれを見て、自分の中で欲望がぶつかり合う。痩せて綺麗になってモテたい欲と、きらきらスイーツで心も身体も満たしたい欲。また、白い砂糖や乳製品の油分はお肌にも良くない。一瞬の快楽と、続いていく美への欲が葛藤します。

食べ過ぎたら吐けばいいや、下剤を飲めばいいや、と欲に縛られた短絡的な行動をとる方も少なくないようです。それは身体を痛めつけ、心も蝕んでいきます。「今」だけ良ければいい。と考えるからそんな行動を取るのだろうと、外野は考えがちですが、きっとそれらの行動は「今」の喜びさえ奪っていくと思うのです。食べた瞬間だけが喜びで、あとはこれを食べたら太る、と呪うでしょう。吐きさえすればいいと言っても吐いたことを悔やむでしょう。心の中に食べることと吐くことの罪悪感があって、「マトモじゃない」ことにすぐに気がつくでしょう。そうしたら今度は「マトモ」じゃないことを呪うから。

スイーツやお菓子やポテチなどもそうですが、私たちは「脳」でそれらを食べます。どんな味かな、ワクワク、楽しい!大人はそれが欲しくてお菓子を食べるのをやめられません。好奇心や楽しさやときめきです。自分の人生にそれらがなくなっているのです。大人の短調な毎日の中になかなかときめきや好奇心を満たすものはありません。大人は人に与えることが多くなりますが、「与える」ことに喜びを見出せないこともしばしばあります。「与える」喜びをもし、感じられたなら、与えているのであって、奪われているのではないと気がつくことができたら、お菓子でときめきを感じなくても良くなるのかもしれません。

いつも周りの人に、与えるあなたに、感謝します。

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