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【水ダウ感想】どうも、彼岸から

いまさら。
1/22(水)放送の『水曜日のダウンタウン』のネタバレを含みます。可能なら1/8(水)放送分からぜひ御覧ください。3週越しの某企画に関する記事です。



▼年始からの特別企画『新春クロちゃんリアル人生すごろく』

年始一発目の水ダウ。最初の印象は「年末企画より手抜いたか?」だった。

すごろくという体にしてあるけれど、あれは順番が逆だったんだと思う。想像だけれどたぶんこう↓
・実現できる範囲のドッキリを先に用意
・クロちゃんが選んだマス目の先に、あらかじめ撮り溜めたor計画できる範囲のドッキリの内容を設定。時系列を入れ替えて流す

そういえば、マス目を決めさせる部分の時系列も明らかにされていなかった。マス目確定→ドッキリ実行の時系列になっていない可能性も高い。

上記のような想像をしてしまったため、私は「名探偵津田」よりは手を抜いたな〜というか、お金がかかってない企画なのかなと想像。十分楽しんだけどね。

でも、この企画はゴールしてからが本番だった。
ゴールマスに到達するクロちゃん。スタッフはゴールマスの仕掛けを伝える。ゴールマスのセットをめくると、そこには「プロポーズ?」の文字。

こっちがスタッフの大本命だったのか。やられた!


▼リチへのプロポーズ、そして

クロちゃんは考えた末に彼女であるリチへのプロポーズを決意する。この後から様子がおかしくなる。じわじわと何かが明かされるサイコホラーの様相を呈していた。散々挙げられているけど、いち女性視聴者が観る「意味が分かると怖いポイント」は以下。

1)婚約指輪を勝手に買う
 急に指輪をパカりして彼女の左手薬指に……なんて漫画だけである。結婚してからも冠婚(葬)祭で着ける女性も多い婚約指輪のデザインを、男性側1人で即決したところにまず違和感。最近はダイヤモンドプロポーズもあるから、そっちにしたらよかったのにね。

2)「ギャルになってきてくれてるよね」のセリフ
 クロちゃんがギャルが好みというのは知らなかったから、意味を理解するまで少し時間がかかったセリフ。要は俺好みになってきてくれてるね、という意味だと理解したが、怖すぎるだろ。たまごっちじゃないんだから。好みに寄せてもらって嬉しかったんだとしてももう少し言い方ってもんがある。

3)断られる可能性を1ミリも考慮していない
 「最近本音を話してくれる」「付き合って2年だし」みたいな話はしていたけれど、相手のタイミングを考慮してないよね。あの悩み方、リチから結婚切り出されたわけでは無かったんだろうし。前述の1-2と相まって、何もかも自己都合で進めすぎ。重ねて怖いって。

そんなこんなで、ジワジワと怖ポイントを溜めながら、あの日と同じ港で、クロちゃんは結婚してくださいと跪く。

リチからの返答は。


▼「もうとっくに限界を迎えていました」

用意してきたんだろうね、あのセリフ。別れに向けて準備した女の覚悟だった。台本はもちろん設定されていると思うけど、幾分かの本当が混じっているからこその迫力があった。
善意をもって要約するなら「1人の人間として扱ってくれなかった」、悪意をもって要約するなら「私の気持ちに全然気付いてくれなかった」。そういう感じの決別の言葉を、ひとしきり浴びせて、リチはクロちゃんからのプレゼントを返して去っていった。

泣き崩れてみっともなく縋って、最後にはスタッフに八つ当たりするクロちゃん、最高だった。クズ系お笑い芸人として求められること全部やっててあっぱれだったよ。

ということで、年明けから始まったクロちゃんすごろくは「破局」という真ゴールで終幕。無事にトレンド入りも果たして、スタッフは計画通り。流石です。


▼どうも、彼岸から

人の狂気が分かるのは狂気を抱えているタイプだけ。ということで、ここよりは彼岸からお送りします。

どういうことか。これは、リチの"彼岸"からということ。

とはいえ、「私は男性の気持ちが分かりますよ」っていう話でもないので。男だって自分の意見溜め込んで後からブレイクするタイプいっぱい居る。だから、"リチというタイプにとっての彼岸"からお送りします。そんでもってリチ個人への批判でも無いです。彼女みたいなタイプへの批判。

▼彼岸からの意見①狂人にヒトの情緒を期待する無謀さ

クロちゃんはテレビの前で狂人を演じているだけで、根は意外とまともな中年男性なのかもしれない、という、人間目線での夢を見てしまったのが彼女が最初に起こした認知ミスだろう。自室にカメラが回っていることを承知の上で全裸になれる方の人間だぞ。不在中に家に何を仕掛けられても仕事のためなら耐えられる人間だぞ。人間としての情緒なんて元から持ち合わせていないか、とっくに擦り切れているに決まっている。自宅の異常な汚さもそう。片付けられない人間には何かがある。それは恋人のポップくらいでどうにかなる話ではないし、あの年齢まで続いた生活習慣が1.2年の交際でどうにか出来ると思っていたならそれは傲慢でしかない。

▼彼岸からの意見②芸能人と、元一般人のパワーバランス

リチみたいな若くて可愛い彼女をなんでそんなに蔑ろに!ほんとに男って!みたいな言説をXで見かけたけど、地上波のゴールデン帯に出てるクラスの芸能人と一般中年男性とで同じ対応を求めるのは流石に芸能人に失礼やろ。一般男性(48)と一般女性(28)だったら女性の方が市場価値が高いのかもしれないが、水ダウが本人そのものを欲しがっているレベルの芸能人元一般人とで、「元一般人に合わせるべき!」は、流石に可哀想じゃないだろうか。クロちゃんが合わせたかったら合わせたらいい話であって、外野がどうのこうの言う話でも無いよね。リチは自分には合わないと判断して、離れたかったから離れた、それで話は終わり。

▼彼岸からの意見③「先に言ってよ!」の仕組み

SNSで永遠に擦られている、この話題。男と女だけの問題じゃない。ひと月に50回くらいはクライアントに対して思ってるよ。ヒトとヒトが相対する事象ってほぼ、そういうもんだよね。
じゃあ、カップルというプロジェクトに必要なフローも自ずと分かってくる。「意見を出しやすい仕組み」と「積極的な意見出し」を、お互いに実施すること。どちらかにバランスが寄ってはいけないし、悪い結果を招いたとして、それはどちらのせいでも無い。
クロちゃんに自分の意見を通したかったならクロちゃんと同等のパワーを持たないと行けなかったし、リチみたいに綺麗で若い女性と添い遂げたかったならリチの情緒ケアをしなきゃいけなかった。やっぱりお互い様やね。

私個人としては「言いたいことは言いなさいよ」「言わなかったことは自分の責任なんだから受け入れなさいよ」という戦闘スタイルなんだけど、諸々の人生経験を踏まえて、私個人がありのままで生きてはいけないという自覚は流石にある。だから、リチ側の人間も自覚を持ってほしい。自己主張を鍛えるか、同じくらいのパワーの人間とペアになるのが良いと思うよ。


▼楽しい楽しいあぶり出し

この話題に対してどういうスタンスを取るかでその人のコミュニケーションスタイルが分かる。私は平等にどっちも刺すスタンスだが、なんとなくクロちゃんへの風向きのほうが強いから、クロちゃんに肩入れしてしまったかも。

なんだかんだ、まだ地上波って影響力あるね。恐れ入ります。

ばいばい。

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