各国の栄誉礼を見てみる

栄誉礼とは

突然だが、「栄誉礼」を知っているだろうか。
私も正しく知っているわけではないのだが、ざっくり言うと、軍隊がその軍隊の高官や外国の国家元首等に対して敬意を示すために行う行事のことのことだ。

栄誉礼では、そのために特別に編成されている部隊が整列し、軍の高官や外国の国家元首等の受礼者を迎え、「捧げ銃(ささげつつ)」等と呼ばれる一定の決められた動作等で相手への敬意を示す。また、軍楽隊が国歌等の演奏も行う。

この栄誉礼はどの国でも行われているものなのだが、それらを見てみると、これがとても(興味深いという意味合いで)面白いのだ。
整列した軍隊の堂々とした姿はとてもかっこいいし、彼らの一糸乱れぬ動作は見ていて気持ちがいい。また、国によって栄誉礼の進行や軍隊の動作、制服が異なるのでそういった違いを比較するのも面白い。
加えて、受礼者の国と自国の国歌の演奏も行われるので、各国国歌の旋律の美しさやリズムも味わうことができる。
さらには、外国の元首などの立ち振る舞いも垣間見ることができるので、それからいろいろな考察ができる。

以上の理由から、一時期各国の栄誉礼の動画をYouTubeで見るのにはまった。
今回の記事ではそれらの動画を挙げていく。
なお、私の知識が浅いので、「この栄誉礼ではここがポイントだ」とか「記事に書いてあるこの部分は少し違う」などあると思うが、ご容赦いただければと思う。

日本

まずは我が国。
これは2019年、天皇陛下が初めて国賓を向かい入れた時のもの。受礼者は米国のトランプ大統領(当時)だ。
この時は皇居宮殿東庭で行われたようだが、迎賓館赤坂離宮前庭、東京国際空港等でも実施される。
「捧げ銃」等の動作をしているのは特別儀仗と呼ばれる部隊。陸上自衛隊第302保安警務中隊から、来賓などを迎える際に編成されるらしい。
確か、特別儀仗隊の制服は何年か前(2019年頃?)にリニューアルされたはず…
また、栄誉礼の中で演奏されている曲も改めて調べてみると面白いかもしれない。

米国

これは2015年、当時の安倍首相がアメリカを訪問したときのもの。
星条旗以外にもたくさんの旗がある。おそらく米国内の各州の旗だと思う。つまり州兵も参加しているのだろうか。
巡閲(受礼者が部隊の前を歩いて視察すること)の後、米国市民との交流があり、さらにその後、昔のアメリカの軍の制服のような服を着た音楽隊が行進しながら演奏を行っているのが特徴的だ。

中国

2017年に米国の当時のトランプ大統領が中国を訪問した時のもの。
背後にある大きな建物(何の建物なのか)や広大な広場が、栄誉礼の威厳を際立たせている。
興味深いのは、トランプ大統領が到着した後、習主席とトランプ大統領がお互いの国の高官たちと握手するときの表情や所作。一国のリーダーの堂々としつつも、何かを含んでいるかのような動きは見ていて興味深い。
習主席とトランプ大統領が立つ場所には屋根がある。全ての国の栄誉礼を見たわけではないが、アジアの国でいくつかこのような形となっているところがあるようだ。
中国と米国という二つの大国の国歌の演奏もテンションが上がる。

イスラエル

これは2017年にインドのモディ首相がイスラエルを訪問した時のもの。イスラエル側はネタニヤフ首相か。
この動画で個人的に胸アツなのは、趣が大きく異なる二か国の国旗が掲揚され、国歌が演奏されること。こういう異文化の交錯みたいなことにはテンションが上がる。
軍隊の指揮官の声もマイクがよく拾っているのもいい。

北朝鮮

これは厳密には栄誉礼ではない(あるいは栄誉礼と認めていない)かもしれない。
2018年、韓国の当時の文大統領が北朝鮮を訪れた時のもの。文政権の時は、南北の首脳会談が何回か行われていたんだよね。
式典の中で、国歌の演奏が省略されているのがとても印象的。
あとは、文大統領が北朝鮮側の高官と握手をする際、北朝鮮の軍服を着た男性が、握手の前に敬礼してたこと。そしてそれに対して文大統領はとくに敬礼等の所作はしていなかったこと。
やはりこれは韓国軍の最高指揮官として、敵対国の軍人に敬礼はできないということなのか。あるいは、日本の自衛隊で着帽時と脱帽時で敬礼の所作が違うのと同じように、韓国軍でも敬礼のルールがあるのか…。栄誉礼の動画を見て、そういった考察をするのも楽しい。

おわりに

他にもたくさんの栄誉礼の動画がYouTubeにアップされている。
暇なとき等、いくつか見てみると何か面白い発見があるかもしれない。

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