ブルースのこと
皆さんのお宅では、ペットを飼われていますか?
私の家の周りでは、犬を飼っている家庭がとても多いです。
皆さん犬に対してとても寛容、いや、寛容すぎるかもしれません。
でも、そのおかげかワンコたちも、とてものびのびと生活しているように見えます。
リードなしで、飼い主の横をちゃんと歩くおりこうさん。
ひとりでお散歩にお出かけしても、ご飯の時間には帰るちゃっかりさん。
こっそりと夜中に抜け出しては、明け方に帰ってくる夜型犬。
どの犬もそれぞれ個性的で面白いですが、
私が住んでいるのは海外の小さな田舎の町なので、
犬が少し自由でいられるのかなとは思います。
さて、我が家ですが一昨年のバレンタインデーに、
10年一緒に過ごしたブルースを13才で見送ってから、
今は2匹のワンコたちと暮らしています。
今回はこの今は亡き、ブルースのお話をしたいと思います。
ブルースは突然に
我が家で初めて迎えたワンコ、
ブルースは3才の時に保護犬としてやってきました。
夫は昔から犬のいる生活をしていたのですが、私にとっては初めての犬。
子どもの頃は小さな可愛い子犬に憧れがありましたが、年を重ねるにつれてそんな思いも薄くなり、犬に対しての興味は殆ど消えていました。
犬なんて匂うし、毛が落ちるから飼いたくないという、
私の主張を無視した夫と子どもたちが、
シェルターから連れて帰ってきたのがブルースでした。
ブルースが自分たちを選んでくれた
子どものころは憧れていた、ペット。犬。
私の抱いていた夢のワンコは、小さくて毛がふわふわで、
腕の中に抱くと舌を出してペロペロと私の顔を舐め、
気づくとすやすやと天使の寝顔で眠りにつくという、
ペットというよりは今思えばおもちゃのようなものでした。
そんな昔からの私の憧れは、すでに夫には伝えてあったのですが、
彼は私にブルースを家に連れて帰ってくる前に、こう言いました。
「 むぎちゃのドリームドッグではないかもしれないけれど、
”ブルースが自分たちを選んでくれた” のだよ。」
夫の忠告通り、ブルースは体重27キロと大きく、白い体に茶色の模様がある短毛の雑種犬でした。
ブルースとの生活
初めてブルースを見た時こそその大きさにびっくりしましたが、
ブルースの温厚な性格、賢さ、なんといっても私を見つめるまなざしに、
すっかり心を奪われてしまいました。
数日後にはすでに、ブルースのいない生活なんて想像ができないと思うほどに。
しかも3才という年齢から、すでにある程度のトレーニングが前の飼い主からされており、初めて犬を飼う私にとってはとても飼いやすかったのです。
ブルースの好きなもの
ビーチ
ブルースはビーチに散歩に行くのが大好きでした。
が、犬といえば犬かき、犬は泳ぐものと思いきや、ブルースは海に行っても、もっぱら歩いたりビーチで会うほかの犬たちと遊ぶだけ。
私たちが沖に出ると追いかけて水に入りますが、前足をバタバタして泳ぐというのには程遠い、泳ぎの苦手な犬でした。
ソロ活動
ブルースはひとりで散歩に行くのが好きでした。
私たちの住んでいる土地柄、犬たちは割と自由に生活しているため、家の前で飼い主を待っている犬や、飼い主の友達の犬に会いに行く犬など、日本では信じられないかもしれませんがよく見かけます。
我が家の前庭には柵がないのですが、私たちが留守にしているときは、家の前で帰りを待っていたり、道路で日向ぼっこしていたり、公園でバーベキューをしている家族に混じっておこぼれをもらったり。。。
という、とても気ままな生活をしていました。
家族
ブルースは、私たちが大好きでした。
仕事や出先から帰ってくると、体をくねらせて大喜びし、嬉しいとき、悲しいとき、誰かと話したい時、いつも寄り添ってくれました。
そして、私たちもブルースが大好きでした。
ブルースが年老いてきたのを感じたのは、いつも行くビーチに行く時、ビーチを少し歩いただけで私たちのあとを追わずに、一人で駐車場に引き返しだした時です。
ブルース自身、自分の限界を思い始めていたのかもしれません。
ブルースが亡くなったとき、本当にいろんな人から声をかけてもらいました。
それは庭の仕事をしていた夫が、ブルースをいつも職場につれていってたことと、ブルース自身が散歩に出かける先で、お友達を作っていたからだと思います。
今、ブルースは我が家の庭で眠っています。
本当に素晴らしい犬でした。
ブルース、私たちを選んでくれて、ありがとう。