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感覚鈍麻とは?【自閉症育児からの学び】
自閉症スペクトラムを理解するためのキーワードの一つに「感覚過敏」があります。
・太陽の光がまぶしすぎて目を開けられない
・人混みの中で必要な音を聞き取れない
・苦手な食べ物を少しでも口にすると気持ち悪くなって、吐き出してしまう
定型発達の人に比べ、わずかな刺激にも敏感に反応してしまう状態が「感覚過敏」です。
感覚鈍麻とは?
感覚過敏とは対照的に、「感覚鈍麻」という状態もあります。感覚鈍麻とは、刺激に対して鈍感な状態のことです。
例えば、以下のような行動が見られます。
・怪我をしても痛みを感じにくく、気づかずに放置してしまう
・温度の感覚が鈍いため、冬でも半袖短パンで過ごす
子どもの頃、クラスに一年中半袖短パンで過ごしている子、いませんでしたか?
もしかしたらその子は感覚鈍麻の特性を持っていたのかもしれませんね。
感覚探求とは?
感覚の鈍さが背景にあることで生じる行動が「感覚探求」です。これは、周囲の音や匂い、触覚、味覚などの外部刺激を過剰に求める状態を指します。
なぜ、そのような行動が起こるのでしょうか。
それは、定型発達の人にとって不快に感じるレベルの刺激でも、「刺激が足りない」と感じるからです。
どれくらいの強さであれば刺激を感じられるのか、その探求心がエスカレートすると、「頭を壁に打ち付ける」といった自傷行為につながることもあります。
感覚過敏と感覚鈍麻は同居する
最近の研究では、「感覚過敏と感覚鈍麻は一人の中に共存することもある」と分かってきているそうです。
「この子は感覚過敏だから、感覚鈍麻の行動はしない」といった決めつけは危険です。
個々の特性は一人ひとり異なるため、注意深く観察することが重要ですね。
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