しげるも知らないもう一つのゲゲゲ、潮田弘子の「無明童子」
その昔、アニパロコミックスという雑誌があった。
オタク向けの雑誌、OUTから派生した漫画雑誌で、ゆうきまさみやひぐちきみこ、丹沢恵(とみいみく)、巣田祐里子などが描いていた。アニパロというぐらいだから、アニメのパロディが主な内容。それを権利元に無許可でやっていたらしいというから自由な時代である。
「無明童子」は潮田弘子によるゲゲゲの鬼太郎のオリジナルストーリー。成長した鬼太郎の話だ。初期は単発の話が続くが、途中から新興宗教団体と対決する話が始まり、完結に向けて壮大な連続ドラマになっていく。今読んでも色褪せない。特に鬼太郎と猫娘がいちゃつくシーンが大人っぽい色気があり大好きだ。ちなみに第1話を発掘して読んでみたが、二人の関係は恋人というよりセフレ(当時そんな言葉はない)だったので、ちょっとびっくりする。
第1話はなんと投稿作品だった。好評だったので編集部が「投稿作品」として第2話を要望し再掲載。そしてレギュラー掲載に至ったようだ。潮田はアニパロ作家の中では数少ない単行本化を勝ち取った作家でもある。この鬼太郎漫画が「無明童子」というタイトルで上下巻に分けて発売された。
ちなみに自分は単行本は持っていないので、どの話が収録されているのか知らない。まあアニパロは全巻揃っているので問題ないかなと。
ちなみに、鬼太郎以外でもボトムズやレイズナーの4コマ漫画なども描いていて、そちらも大好きだった。無明童子以降、潮田がどうなったのかは、まだ蔵書のアニパロが積ん読になっていて、わからなかったりする。