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リアルタッチ?兄より優れた弟は存在しまあす!あだち勉の「実録あだち充物語」

2016-06-30
鳥山明が「自分の子供を売り渡せますか?」とパチンコ化を断ったというデマが火広まってるのが気に食わない。これらの話を捏造した人、広めたい人は外国人を忌み嫌っていて、その共感を求めるために、大して興味も無い鳥山明を利用しているのが腹が立つのだ。

リアルタイムで単行本などの著者コメントまで読んでいる人間ならわかると思うが、「自分の子供を売り渡せますか?」なんて熱血なセリフは鳥山明のキャラクターでは無い。鳥山がパチンコ化を断ったのも事実だとは思うが、相手への拒絶意識があってのことではなく、もっとライトな態度だったと自分は思うのだ。

漫画の主流となる作風から一歩引いたライトな態度。それが鳥山明の作風であり、ヒットの秘訣だと思う。同じタイプの作家にあだち充がいる。

あだちは当時主流だった熱血スポ根(スポーツ根性の略)漫画では似たような作品の中に埋もれていたが、少女漫画を経由してやや引いた位置から少年漫画業界内での自分の居場所を発見した。少年漫画の王道だったらこうなるだろう、というところから少し外してくるのである。

その辺のあだち充論は「アオイホノオ」が詳しいが、兄であるあだち勉(つとむ)の描いた「あだち充物語」でも読むことができる。単行本初版は1984年。のちに裏方に徹するが兄も漫画家でそこそこ稼いでおり、赤塚不二夫にもその才能を認められていたそうだ。作風は、この漫画だと古谷三敏と石井いさみ風タッチを使い分けているが、パロディでやってるのかどうかよく分からない。

前々回紹介した青春少年マガジンに登場する若くして亡くなった作家、小野新二も登場する。

<追記:>まさか4年後にあだち勉氏の伝記漫画が始まってしまうとは。。。
『あだち勉物語』~あだち充を漫画家にした男~


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