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台北ゲームショウ2025遠征記(後半)
B2Bコーナー出展2日目
さぁ、いよいよB2Bコーナーの出展最終日です。2日目は4社とのミーティングが組まれています。
ちなみに、TGSでは出展者が利用できるビズマッチングシステムというものがあり、イベント開催までの間に挨拶代わりのカード交換や、ミーティングの予約などができます。私も開催までの間に30社近くとカード交換を行いました。基本的にミーティングもこのシステムを通じて組まれますので、誤って予定がブッキングすることも無くて便利です。
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2日目も通訳はYさん。前日喋りすぎたせいかちょっと声がガラガラになっていたので、一生懸命やってくれたんだなぁと改めて感謝。前の日にひたすら僕のゲームを説明してくれたおかげで、2日目は何も言わなくても全部対応してくれました。
もう僕は最後に名刺を差し上げて挨拶するだけで良くなったので、B2Cエリアの見学と関係者への挨拶で1時間くらい席を外すことができました。
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B2Cエリアは大企業のブースだけでなく、INDIE HOUSEというインディーゲームのみを展示したコーナーもあり、顔見知りのゲーム開発者やパブリッシャーなどのブースも出展されていました。インディーゲームが日本に負けず劣らず盛り上がっているのは嬉しいですね。
ついにチャンス到来?!
12時から今回の出展で一番期待していた、韓国の企業とのミーティングに出席。お相手は設立してまだ年数が浅いものの、日本の有名なゲーム会社とも開発をしていた実績のあるパブリッシャーのようです。
会議は基本的に英語なので、もちろんYさんも同席です。挨拶の冒頭に弊社のこれまでの歩みとか、作ってきたゲームの内容をYさんを通じて伝えたところ、すでにこちらの主要な作品は下調べしており、僕のゲームにはアジア諸国で売れるポテンシャルがあると褒めてくれました。
僕のゲームは国内よりも海外での受けが良くて、よく「OLD SCHOOL!!」などと褒められます。ドット絵が美しいレトロなゲームっぽいけどちょっとクール、みたいな意味ですね。過去で一番ヒットしたDarkBloodは、中国のパブリッシャーと組んで中国本土でリリースしていた時期があり、中国政府による締め出しがあるまでの2年間で40万ほどダウンロードされた実績があります。今回のお話はそのダークブラッドを中心に、韓国やインドネシア、マレーシアなどのアジア諸国にパブリッシングでお手伝いできないかという提案でした。
もちろん断る理由なんてないのでさらに条件を詰めていくことを前提に、まずはNDA(秘密保持契約)を締結しましょうと握手をしてミーティングは終了。
そのあとミーティングの予定は組まれていなかったものの、シンガポールの会社がブースに訪ねてきてくれました。Yさんからは私が留守にしている間にブースを訪問していたこと、そしてこの会社がベンチャーキャピタルのようなこともしている有名なテックカンパニーだとも聞いていたので、まさにこれは千載一遇のチャンス!
デベロッパー向けに収益化やブランド成長を支援する「パートナーグロース支援」という事業があるらしく、その取り組みとして協力をしていただけるかもとのこと。こちらも詳しくは旧正月明けにNDAを締結して詰めていきましょうという話でした。
日本の展示会などでは名刺交換をして、いい感じの手応えがあったなと思っても、後日そこから商談に進むことは少ないのですが、B2Bで出会った会社の人達はすぐにNDAを締結したがるので、本気度が伝わってきてむしろ清々しかったです。こういう積極性は日本人も見習わないといけませんね。
大きなビジネスチャンスというのは主にこの2つでしたが、ゲーム関連企業が次々に訪ねてきてくれるので、こちらの作品を色んな人にPRできるのは有り難かったです。B2Cコーナーだと対象が一般ユーザーなので、ダウンロード数には影響があるかもしれませんが、パブリッシャーを探したいとかどこかの企業と組んでステップアップしたいという人なら、迷わずB2Bでしょう。
気になったサービスなど
その他にも現地で情報交換をする中で、とても興味深いサービスや支援制度があったのでいくつかご案内を。
DMM GAME翻訳
AIを活用した翻訳サービスで、高いクオリティの翻訳が1文字最低2円からの費用で可能なサービスとのこと。キャラクターの性格などをAIに学習させるので世界観を崩さない翻訳が可能だそうです。
VIPO(映像産業振興機構)のコンテンツ産業の海外展開等支援
海外向けのローカライゼーションやプロモーション支援を受けられるそうなので、さきほどの翻訳サービスの費用なども支援していただけそう。
福岡市の「クリエイティブビジネス海外展開支援金」
あと、今回の遠征費用は福岡市の「クリエイティブビジネス海外展開支援金」という制度を使用していて、コンテンツの海外展開にかかる費用(渡航費、展示費、翻訳代など)を最大60万円(かかった費用の50%)まで支援してくれるので、そちらを利用させていただきました。福岡市内に本店を有する会社なら利用できる制度なので、使わない手は無いですよね。
あと、同じブースで2日間お向かいだった韓国からの参加の鄭さん。
実は1年ほど前に福岡市のビジネス系イベントでお会いしたことがあったんですが、あちらも覚えていてくださったようで、積極的に声をかけてきてくれました。気さくな方でいいおっちゃん。http://visuallight.kr/pc-console-langkr/
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Yさん、ありがとう!
今回の出展が充実したものになったのは、Yさんのおかげだと思っています。Yさんはただの通訳者ではなく、僕のゲームを声を枯らしながら沢山の人に売り込んでくれた優秀なビジネスマンでした。
これまで人を雇うことは考えなかったですが、こんな若者となら一緒に頑張りたいと思いましたし、彼のような人に認められるような会社にしたいと思いました。こんなに何事も一生懸命な若者と出会えたことは何よりの収穫でした。
TGSの素晴らしさを体験できたので、次回は周りにも声をかけて参加すると思いますが、その場にYさんがいないのが不安ではあります。でもまたYさんのようなすごい若者に出会えることを信じて来年もチャレンジします。
Yさん、短い間だったけど本当にありがとう!
2日目の夜はDMMGAMEさんが主催するネットワーキングパーティに参加。美味しい食事とお酒をいただきながら、たくさんの人と交流できました。
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その後、MRTで台北桃園空港へ移動し、空港内にあるカプセルホテルに宿泊。早朝の飛行機で帰国するのですが、チェックアウトしてエレベーターを降りれば空港ロビーに行けるという超便利なホテル!
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台北ゲームショウで思ったこと
今回はじめて海外出展をして、学べたこと、気がついたことがあったので書き記しておきます。
・英語はやっぱり必須
台湾に限らずですがYさんのような優秀な通訳を雇ったとしても、やっぱり最低限の英語でのコミュニケーションはあったほうがいいです。つたない英語でも一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿に相手も悪くは思わないはず。
ということで、帰国して早速英会話の勉強を始めました。来年のゲームショウでは最低限のコミュニケーションは自分でとれるようになりたい!
・日本からの訪問者にやさしい
もともと台湾は親日国と言われていますが、日本のゲームやアニメなどのコンテンツが人気なのもあって、特にこういうゲームショウに来る人達は日本人にかなり好感を持ってくれています。今回はB2Bのインディーゲームエリアに出展していた日本人は僕達だけだったのでたくさん訪問してくれましたし、今振り返れば日本から来たことをもっとアピールしたほうが良かったかも。
・東南アジア国々の人と交流できた
出展ブースの半分以上は台湾のチームでしたが、シンガポール、マレーシア、エンドネシアなどの東南アジアの出展者も多かったです。ブースに訪ねてきてくれた会社でも何社かありましたし、東南アジアの国にPRするのもありかなと。マレー語とインドネシア語は翻訳がちょっと大変そうですが、チャレンジする価値はありそうです。どの国も日本文化が好きで日本人に好感をもってくれています。タイから来たというアニメーターの人は、カタコトの日本語で話しかけてきてくれて、アニメやゲームを敬愛している様子が伝わってきて嬉しかった。
・福岡の知名度が低い。
日本から来たよ、と話すと日本のどこ?と聞き返されるのですが、福岡から来たことを伝えても、知っている人は半分くらいでした。B2Bコーナーの受付の女性が日本語ができる人で、春からTSMCの新入社員に中国語を教える仕事をするそうなのですが、彼女も九州は知っていたけど福岡にはピンときていませんでした。台湾とこんなに近いのに、福岡の知名度が低いのは少し悲しかったです。ゲームショウに福岡市が参加している様子もなかったですし、これだけ身近で大きなイベントなのに福岡のアピールをしないのはもったいないなと思いました。アジアの玄関港と自負しているなら、台北ゲームショウには絶対参加するべき!と思うけどなぁ。
・暑くてアツい国
昨年12月に台北に行ったときも暑かったですが、1月の台北もかなり暑かったです。最低気温が15℃くらいなので上着がいらないくらいの気候でしたが、周りは結構コートやジャンパーを着ていたので、ひょっとして熱がある?って思いましたが、Yさんに聞いたら台湾人は寒がりなのでぽかぽか陽気でも厚着するんですよとのこと。
あと台湾人は柔軟でフレンドリーと言われますが、商魂たくましい部分も持っていて、グイグイ来る感じがアグレッシブで良いなと思いました。お店も遅い時間まで開いていて、一般市民のマナーも良いので安心して24時間遊べる国ですね。ビジネスでも観光でもアツい国です。
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最後に
繰り返しになりますが、台北ゲームショウは出展するのに十分価値があるイベントでした。この規模のイベントで、B2Bコーナーに25,000円程度で出展できるのはそうそうないと思います。
日本には東京ゲームショウやBitSummitなどのビックイベントがありますが、アジアへの発信力を考えると台湾はまさにうってつけでしょう。
来年は、福岡の仲間と一緒に参加するぞ!そのためにも海を超えてもらえたチャンスを絶対つかんでやるぞ!