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「平造夫妻」9 お役目編 「仮面の忍者赤影」青影・陽炎の両親のお話 R18 1063文字
飛影は広間を離れ、焚き木の所迄いき門番のたち吉に詳細を延べ、九侖と地翔と一緒に、ここを見張れと告げ、九侖と一茶を連れ共に塀を飛び越え、消えて行った
御殿の瓦屋根に、影絵のような猫二人
「彼らも、陰陽師の仕掛けを警戒しているのですね。聞いてない仕掛けもあるやも知れぬと。夜に向いた仕掛けでしょうし」
「自分達にも、分が悪いと思うのだな」
唸るように言う平造
「時間を与えてしまいますが、百道がいない方がよいですが」
「いや、戻って来るやも知れぬ、潜み隠れ鼠のように」隠し玉がいる以上、老獪な百道を相手にしたくない二人
若い奴らなら百道の歳を取った等に引っかかるであろうが、静、平造にそれはないが百道の妖怪さにつき合うのは少々厄介と思っているのは事実
「地の利は、彼らにあるのです。あさひを置いて行くのですし」
「ふむ、そうだな。やったのが何処の誰かもわからず、玄流斎達かも知れず、その相手をさせようと言うのだ。しかも雑木林で」と平造
「仕掛けが必要なら、その場所迄誘い込まれるのでしょうね私達」
「朝迄待って突っ切るとしても、我らに有利か?」平造は言う。平造も静も胸の内は同じ。百道が遠くに行ってるのはありがたいが、報せを聞いて動揺のあるうちがよいか?
「あさひ、昼も夜も関係ない技かも知れぬしな」
「・・・ 」
「・・・静。ここからは、忍びだけだ」と、平蔵が意を決めたように、言い
「はい」と、頷く静
三人は、焚き火を囲んでいる
月があっても闇に静まっている御殿の庭に、炎の音が明るく聞こえる中、門番のたち吉は、半時立ち我慢できずに(頭領の去り際に自分を見た威圧のある目に、言い出せないでいたが、どうしても少しでも早いうちにと言う気持ちがもたげ)、恐る恐る忍び達に自分も広間に入って殿御一族の様子を見てもよいかと、地翔に尋ねていた
そんな時焚き火に向かって、大玉を投げ入れる平造
『使われない事を望みます。これを使う時は、お二人が厄介と思われた時でしょうから』とそれは、同じ里の毒使い土蜘蛛に、大玉を渡される前に言われた時の言葉を胸に思い出す。助けは期待できんしなと、一茶の事も相まって思う
それは、意識を失った小鳥が落ちるように焚き火に、どすんと音を立て落ちる
四七、地翔は、咄嗟に何がと焚き火に振り返る
瞬間、焚き火より大きな炎の輪が広がり、三
人は咄嗟に後退る
たち吉は、地翔にぐいっと引きずられての後退り
炎は、爆音と共に何かの咆哮のように、夜空に火柱が登っていく様に、三人「一体なんだ」と言う言葉を飲み込ませ、夜目に明るい火柱を一時全てを忘れ見上げていた
続く→
「平造夫妻」10 お役目編