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生きるとは死ぬことである。死ぬために生きている。計画では95歳まで生きる。理由は母親が100歳まで生きたから。男のおれは女性に敬意を表して5年少なくした。偉くも金持ちにもなれなか…
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#風景
小説「死ぬ準備」-場外編
お婆ちゃんたちの退場
美しく優しい顔をした老人が昔はいた。お爺さんは老いても黙々と薪を運んだ。お婆ちゃんは孫と遊んだ。腰は曲がり皮膚はたるんでも凛としたものがあった。またお婆ちゃんはよく昔話をした。
そんな老婆の周りには近所の子供が集まった。
どこでも老婆の周りには子供がいた。
どこの子供もそんなお婆ちゃんがすきだった。お婆ちゃんが囲炉裏端でしてくれた怖い話も好きだ。幽霊の話も好きだ。喋りな
小説「死ぬ準備」-20年前の風景
われわれに未来はない。しかし子供にはある。少なくとも時間だけはある。その時間を有効なものしてあげたい。そう思えば思うほど体が震えた。
出来そうもない、気がしたからだ。
少なくとも子供や女房には迷惑を掛けたくない。経済的な負担を掛けたくない。死んだら葬式はするな。親戚にも知らせることはない。余計な金を使うな。そう妻にはいってある。妻は黙っていた。
現実問題としてそんな経済的余裕はない。
たぶんそ