私が望む私

言葉にできないこと
言葉にしたくないこと
言葉にしてはいけないこと

自分の中に渦巻く感情を
どれも昇華させることができない
原因は肥大化した”承認欲求”と”負い目”だ

家族に認められたい
友達に離れてほしくない
興味を持ってほしい
好きでいてほしい

私の承認欲求の正体は
周りへの些細な期待であり
それが集合体となって
私をがんじがらめにする

欲求に忠実になれたらいいものの
その欲を満たす為の姿は
本来の私とはかけ離れているから
嘘をついたような気持ちになる
そんな負い目が、さらに私を縛る

”誰かが望む私”と
”私が望む私”
そこへ至る道は別々で
分岐点でずっと立ち止まっている

承認欲求も
負い目も
手放すことが出来ず
言いたいことを飲み込み
うちに秘めてままでいる
それが私自身だ

しかし
周りと自分を傷つけ
泣き叫びながらでも
”私が望む私”へ走り出したい
それも紛れもなく
私自身だ

言葉に出来ない恥ずかしい感情
言葉にしてはいけない汚い感情
言葉にもならない粒子さえ
音にして
さらけ出し
むき出しのままいる

醜く歪で
皆から石を投げられて
傷だらけのアーティストが
それでも気高く歌い
人智を越えた
まばゆい光を放つ姿に
強く心惹かれてしまう
それが私が憧れる表現者だ

「自分はそうはなれない」という
呪いではなく
”私が望む私”を
「愛してほしい」と
胸を張って願うのが
私の未来の姿だ