中学の寄せ書き
学生の時代の記憶は、私にとってはどれもとるに足らないものだ。
でも決まってよくみる夢は学校の夢だ。
宿題ができてない夢。
制服のシャツのアイロンがかかってない夢。
学校指定の靴下がみつからなくて焦る夢。
授業の予習をしてない夢。
教科書を忘れる夢。
遅刻する夢。
大学受験をまたしようとしている夢。
また一年留年する夢。
どれもよく見る内容で、だいたいがネガティブな夢だ。
私の学生生活は後悔ばかりだったからだと思う。
それでも少しの良い記憶が、たまに励ましてくれる。
中学の寄せ書きはその一つだ。
卒業式の日に、卒アルのうしろにそれぞれメッセージを書く時間があった。
みんなメッセージの最後に名前が書いてあるのに
一つだけ名無しのメッセージがあって
『高校いっても音楽やめるなよ』
まだ私が音楽にしがみついているのも
この言葉があったからかもしれない。