名前を言ってはいけないあの人との話_3
入籍し、しばらくはそれぞれの家のまま、別居婚だった。
ずっと一緒にいたいとかは特に思っていなかったので、お互いそれぞれの家を行ったり来たりしながら、付き合ってる時と大きく変わらない生活だった。
でも、信頼していたし、お互い自立している関係性のままで私は心地良かった。
その頃の私の感情としては、なるほどーこれから結婚生活が始まっていくのかーといったところ。割と冷静だったかと思う。
ちょうど時を同じくして、彼が最年少でマネージャーに昇進した。
純粋におめでとうと思った。お給料も上がったらしい。良いことだ。
また、コロナの影響でフル在宅勤務になったため、私の家よりも広い彼の家にいることが日に日に多くなった。行動制限がかかることが増えてきたし、更新のタイミングなんかも重なったので、そうなった。それはそれでいいかという感じで。
同じ家で生活することが増えてきた頃、具体的な時期は忘れてしまったけど、入籍して数ヶ月ぐらいで、少しずつ違和感を感じることが出てきた。
少しずつ、ポツン・ポツンといろんな面で点々と違和感、みたいな。
でも、他人と生活するってこういうことなのかなと思ったり、考えたり、飲み込んだり、確認してみたり。そして、飲み込んだり、飲み込んだりしていた気がする。
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