見出し画像

「あらかわの風景~彰義隊の夢の跡・荒川区南千住・円通寺」

南千住、日光街道沿いに位置する円通寺は、曹洞宗の寺院で本尊は聖観音菩薩です。
791年坂上田村麻呂によって開かれたと伝えられる古刹です。
 
明治維新、1868年に上野戦争で亡くなった彰義隊の隊員を上野公園の西郷隆盛像のあたりで、この寺の住職が火葬を行なったことから、上野寛永寺の総門(黒門)が移築されました。黒く塗られた門のあちらこちらに鉄砲玉の跡が残され、戦乱の大きさを物語っています。
 
境内には、亡くなった彰義隊の隊員の墓もありますが、1963年3月に当時4歳であった村越吉展(よしのぶ)ちゃんが誘拐される事件(「吉展ちゃん誘拐殺人事件」)が発生し、1965年7月に敷地内の墓地から白骨化した遺体で発見されたことでも知られています。そのため、敷地内に被害者の慰霊地蔵が設置されています。
 
幕末・明治の名残と高度成長期が始まることの凶悪事件が共存する寺院、その歴史は、ある意味忘れ去られている場所・事件となりつつあります。
 
地元の史跡として、後世にきちんと語り継がねばならないですね!

よろしければ、サポートをお願いします。 NOTEのスタートからの記事をひとつの成果物として、自主出版する費用の一部に使わせていただきます。