動物の生態を理解し、尊重し、共存すること Das Wesen der Tiere verstehen und respektieren, und zusammen leben
ドイツ人は、環境問題に関する関心も高いが、同時に動物保護に対する意識も高い。
ミュンヘンのような都会であっても、子供の頃から動物に触れ合える環境であるのも理由の一つだと思う。
街中でも至る所にリスや、ウサギ(ピーターラビットの世界!)、いろいろな種類の鳥達もそこら中に飛んでいる。
大きな公園には、その中を流れる川にビーバーが生息していたり、羊や鹿がいたり、少し足を伸ばすと牛や馬達がいる。
都会であっても緑が多く、いい形で動物達と共存していて、幼稚園の子供達も(私よりもずっと)動物のことはとても詳しい。
動物を家族として受け入れる人は、共に暮らす動物の生態を理解し、環境を整え、尊重すること。
責任を持って、当たり前のことだけど、動物が死に至るまで世話をすることを要求される。
このような意識の上、ドイツのペットショップでご飯やおもちゃなど必要な“物“は売られているが、犬猫を売っているところはない。
もしかしたらネズミやハムスターなどの小動物が売ってあるところはあるかもしれないけれど、目にしたことはない。
犬猫の生態からしても、小さなショーウィンドウに入れておくのは、(ドイツ人の見方からは)虐待である。
衝動買いを避けるためだけではなく、責任と覚悟を持って動物を家族として受け入れるために、ドイツで動物と一緒に暮らしたい場合は、ブリーダーから直接購入するか、動物保護シェルターから譲り受けるかのどちらかになる。
ドイツ動物保護連盟が組織している保護施設はドイツ国内に500以上ある。
環境も整っており、怪我や病気の理由から獣医の判断で、安楽死をさせられる動物はいるけれども、高い割合で里親が見つかっている。
その動物が快適に暮らしてける環境なのか、その動物が8時間以上一人になることはないか(犬は6時間)など、厳しい審査がある。
人間と共に暮らす動物の中で、特に犬は、法律もあるほど、犬の犬権(人が決めた犬権だけど)が守られている。
犬と一緒に暮らすにあたり、その家族は法で定められたことを守らないといけない。
・一日、最低2回(最低1時間)散歩に行き、広い場所で十分運動させること。
・家の中で家族と共に暮らし、交通公共機関での移動や公園での散歩以外は、紐で繋がれた状態は禁止。
・1日最低4時間は犬と関わりる時間を持つこと。
・他の犬と日常的に接触する機会を持つこと。
・1日6時間以上、一匹で留守番させないこと。
など決められている。
もし、このことを守らず家族である動物の世話をしなかった場合は、罰金、または最長3年の刑罰が下される。その犬は保護され、今後、動物と一緒に暮らすことを禁止される。
虐待、または死にいたらせた場合も同様。
動物を捨てた場合、25000ユーロ(約400万円)の罰金を支払わないといけいない。
それに、犬税もある。
州によって金額も違うが、ミュンヘンは犬一匹に対し年100ユーロ(約1万6千円)。闘犬は年800ユーロ(約12万円)かかる。
その分、どの公園も犬の💩用の袋が置いてあり、ゴミ箱も設置されている。公共交通機関にも乗ることができ、大型犬でも一匹なら無料。二匹目からは子供料金(バッグなどに入る小型犬や小動物は無料)。
ただし、短い紐で繋がれた状態でないといけない。
ドイツ人は犬に対して本当に寛容で、地下鉄の電車の中で大きな犬が真ん中にドーンと場所をとって座っていても、誰も気にしない。というか、逆に気を遣っている。
カフェやレストランでも、犬と一緒に行っていいし、水も用意してくれる。体重8キロ以下なら、飛行機だって客室にいてもいいし。
犬猫などの動物を禁止している賃貸アパートもあまり無いし、犬と一緒に来てもいい会社があったりと、ドイツは動物と一緒に暮らしやすい環境である。
それに、人間と共存していくために、特に街中に住んでいる犬はトレーニングを受けるようになっているから、問題になることはあまりない。
そんなこんなな動物愛護国ドイツ。
寂しがりやなワン子たちにとっては、住んでみたい国!かもしれませんね〜