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色選びと直感力の話

「配色セオリー」とか「色彩学」を教える身で
こんなことを言うのもなんですが。

色を選ぶ際は、直感が一番。

ただし、これは直感力が冴えている場合に限り、
体調が良くない時とか、機嫌が悪い時、心配事がある時などでは、
必ずしも直感が正しいとは言えなくなります。

例えば「ネットショップを始めよう」と考えていらっしゃる場合、
ブランドカラー(ショップのイメージカラー)は、
開店準備で忙しくなる前の、ワクワクしている時期に
決めておくことをおすすめしているのはそのためです。

説明できる色選びと、説明しきれない色選び。

「直感」イコール「なんとなく」だと誤解されがちですが、
「ある色(一色)」は、直感で選んだ場合でも、
言語化には、まず困ることはありません。

ところが、配色(色の組み合わせ)となると、
プロのデザイナーでも、言葉で説明しきれない場合というのがあります。
配色見本にあるような「優雅な」とか「ゴージャスな」とかに
分類できない印象を与える配色です。

「説明できない」のではなく、
「説明するための言葉(社会性のある共通認識)が足りない」。

デザインを説明する際、言葉に詰まると、
「デザインはアートじゃないのだから、
 なんとなくじゃなくて、全部説明しなさい。」
と言われたり、

ここまで説明を求められるということは、
デザインスキルを侮られているのではないか、
とストレスを感じるデザイナーさんの話はよく伺います。

どういった説明をが必要かは、業種やご予算、
クライアントさんが、商品・サービスにおいて、
デザインをどのように位置付けているかにもよるので、
クライアントさんが理解しやすい言葉を使って、
柔軟に対応していきたいですね。

相手が理解しやすい言葉選び

デザイナーさんには、嫌がられるのを承知でw
「本読もうね」と言っているのは、
クライアントさんが理解しやすい言葉、言い回しを
インプットしておくのが目的の一つです。

著名かつスター性のあるデザイナーになって、
オーラでなんとかなるのであれば、別ですが(笑)
「何言ってるかわかんないけど、なんだか凄そう・・・」って
思わせる人もいますよね。

スター性で勝負したいデザイナーさんに無理強いはしませんが、
ビジネス書や、noteで様々なビジネス・起業をしているクリエイターさんの記事を読むのはとても良いと思っています(私も習慣にしています)

言葉で説明しきれる配色と、言葉を受け付けない配色。

例えば、クライアントさんに提出する前に、
チームで作成したデザイン案を絞り込んでいく中で、
正攻法で非の打ち所がない案、一般受けしやすい無難な案が並ぶ中に、
ひょっこりと「なんとなく捨てがたい」デザイン案が残ることがあります。

配色の印象で、なんだかわからないけれど、心が動く。
捨てがたい・・・

例えばこんなことがよくあります。

言葉で説明しやすいA案と、言葉で説明しきれないB案。

企業さんにプレゼンする際、窓口である担当者さんとその上司さんの中では、「A案」推しになることが多い。

「B案」は捨て案扱いとし、説明しやすい「A案」で社内の採決を取ろうという段取りになります。

で、よくあるのが・・・
これを読んでくださっているのがデザイナーさんならもうこの先は読めていると思いますが(笑)

デザイナーまたは、企業内の担当さんは、
無難なA案を盾とし、捨て案扱いでもいいからなんとか残したいB案を抱えて
縦型組織のミルフィーユみたいな層を順々に、説明して上がってゆき・・・

各層で、「そのデザインで大丈夫なのか(売り上げは落ちないのか)」と、
説明を求められ、やっとの思いでラスボスの前に・・・
なんかもうRPGのイメージなんですけどw

で、

社長さんに一言で「B案」になる。

そして結果も出て、めでたし。

デザインの対象にもよるけれど、
「説明しきれない何か」に妙に惹かれるデザインやアイディアって、
「みにくいアヒルの子」みたいだなと思うことがあるのです。
アヒルの群れにいたら、アヒルの中の扱いにくいアイディアとして
はぶられちゃう。

組織によっては、誰かが責任を問われることになるのを避けるため、
リスクを取らないためにも、イノベーションを欲しながらも、
無難なデザインを選ぶ・・・というのは、誰が悪いわけでもない気がしています。
そのうち、AIやビッグデータでかなり正確に予測できると思いますが、
デザインの視覚的効果は、エビデンスや科学の言葉だけでは説明できませんから。

そして、いつも感心するのは・・・

企業トップ・起業家さん(ビジネス成功者)の直感力、恐るべし。

↓ 去年もこんな雑記を書いていましたが

企業のトップであったり、起業家さんは、デザイナーもびっくりするような直感力をもってして、デザインを選択されます。

責任を問われると困る中間層(そりゃそうですよね)には
丁寧な説明が重ねて必要ですが、
最終のデザイン採決権を持つ、トップの方は、お忙しいこともあり、
要点だけ質問してくださって、即決。になることが多い。

数分で終わってしまうのは、私としては残念だけど。
(お会いできる機会なんて滅多にない)
質問されたこと、確認されたことは、とても濃い内容だったから、
忘れないように、帰り道にぶつぶつとスマホに録音したりします。
(人が見たら怪しい?w)

色のセンス

あと、「デザインやアートには疎いのですが」と言っておいて、
やたら、センスの良いオーダーをしてくる、
ビジネスエリートさんたち・・・て、ふとした時の雑談で
「あ、なるほどね」って思うことがあるので、
その話を今日の雑談の締めくくりに。

デザインや色選びのセンスが良いな〜と思う、ビジネスマンさん。
お母様が、食器集めが趣味だったり、
ご両親が、インテリアにとても凝っていた。
という場合が多い。

幼少期の生活の中で、自分にとっての心地良い色や配色が、
感覚的な記憶としてたくさんインプットされ、
それが、直感力になっているのかもしれませんね。

ま、他人からセンスが良いとか言われなくても、
自分が心地よい色を生活に取り入れていただくのが
心身の健康にも良いと多いますので、
あんまりセンスとか気にしないでいいと思ってます^^

自分の直感が一番!という雑談でした。


実は仕事でデザイン研修のマニュアルを新たに書き始めておりまして。
その中には書かないような雑談を、このnoteに書き出してみました。

読んでくださってありがとうございました。
良い一日を、または、今日もお疲れ様でした。


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