鏡の法則ーある製作会社(鏡の国)の思い出話
会社員だったこともあるので、フリーランスな私も「モモウメ(OL編)」に共感しつつ苦笑いすることもしばしばです。
「鏡の法則」なるもの。これ誤った解釈をすると危険な代物だと思うのですが、ある製作会社でデザイナーのマネジメントをしていた頃を思い返してみると・・・職場の皆さんが、まさに私の「課題」を映し出していたので、恐ろしい(笑)
絵本や童話の世界で動物で表現されるのを真似します。
(動物の選択に深い意味はないので該当する職種の方がたまたま読んでくださっていても、お気を悪くしないでください)
その製作会社は「牧場」で、私たちデザイナーは羊。
社長や部長といった社員は、牧場のオーナーなどの人間で。
営業さんは馬。
ディレクターさんは、牧羊犬。
エンジニアさんは、鶏。
毎日わちゃわちゃ、カオスな日々を生き抜いています(笑)
ストレスが多いと美しい羊毛は刈れないわけですから、年配羊の私は彼らのお悩み相談を聞くのも仕事の内です。
彼らのストレスの発生源として指名されることが多いのは・・・
牧羊犬その1:いつも酒臭い
牧羊犬その2:いつも仕事に関係のないことを喋っている
鶏その1:社内デザイナーを無能だと公言し、デザインにあれこれ口を出す
鶏その2:すきあらば苦労話をする
今思うと、デザイナーにはHSP(繊細さん)も多いから、音や匂いに敏感で、それに関する相談が多かったです。
そして皆、お馬さんのことは尊敬していました。お仕事の機会を直接持ってきてくれる存在だったし、多少無理なスケジュールでも、皆協力を惜しまなかった。
牧羊犬さんの中にも、羊さんたちに人気のキャラが多かったです。
同じ修正依頼でも、前述のその1・2キャラに言われると、ムッとしちゃうけど、別の牧羊犬さんの言うことは素直に聞き入れられる、といった現象です。
立場上、牧羊犬からも「あの羊、ちっとも言うこと聞かないんですけど」と言うクレームもありましたが(お互い様よね、笑)
そして、牧羊犬や鶏に人気のあった牧場のオーナーその1。
絵に描いたような華々しい経歴と芸能人ばりの見た目なのですが・・・
羊たちの多くが彼を信用してはいませんでした。私たち羊の目には童話の中の悪いオオカミに見えたのです。「耳障りの良いことを言って入るけれど、目の奥が笑ってないから怖い」と言う羊もいました。
羊たちに人気だったオーナーその2は、一言で言うと「ダメおやじ」(笑)
ユニークなキャラクターで、とても愛されていました。
さて、取り巻く他の動物たちのことはこのあたりにして、私にたくさんの気付きを与えてれた恩人・・・恩羊さんたちについてです。
羊その1:弱そうに見えて毒舌
虚弱体質をアピールし牧羊犬からの特別扱いを享受。
羊仲間以外には決して本音を語らないが、かなりの毒舌。
あの豹変キャラっぷりは面白かったw
羊その2:愛されキャラだけどコトによっては傷つきやすい
デザインが採用されなくても気にしていない明るいキャラが魅力で、いじられやすいが(皆、この人には言っても大丈夫だと思っている)、実は服装や髪型について言われると、夜眠られないくらいに悩むらしい。
羊その3:褒められても恐縮する
例え注意されても、褒められても、「すみません」が口癖。デザインが評価されると「褒めておいて実はクビにするための伏線ではなかろうか」と心配になって相談にやってくる。
・・・その妄想力は仕事に活かせるはず。。
羊その4:あらゆることにおいて「盛る」
無口だったり言葉での表現が苦手なデザイナーが多い半面。口ばっかりのデザイナーもいると言うことを知りました。。
羊その5:雑談において必ず自分の自慢話に持っていく
お酒も入っていないのに、過去の栄光について語れるその話術に私は感服したものですが、若手からしたら・・・まぁうざいよね。
羊その6:デザインの修正を要求されると病欠する
代理で修正させられる若手からのクレームがあったわけですが。
当初、本人も辛かったろうと声を掛けても、なかなか心を開いてくれる気配がありませんでした。毎日メイクに相当時間をかけているらしいし、ファッションもSNSのフォロワーが沢山いる程、素敵だったので、プライドが高いのだろうから・・・と先輩ヅラしないようにしていました。
ところがある日、体調不良を押して出社した時の彼女はほぼノーメイクで、私にアドバイスを求めてくれたことがありました。
その時、私はやっと本当の彼女と面と向かって話ができたことが嬉しくて、心から彼女に感謝しました。
そして彼女という鏡は私に見せてくれてたと思います。
「管理職」という着ぐるみで、本当の自分を偽って皆に接していた、私の姿を。
そして、牧羊犬や鶏から「付き合いが悪すぎる」と嫌われていた羊さんたち。私は嫌いじゃなかったし、むしろ好きだったことを思い出します。勤務態度が悪かったわけでもないし、作品も素晴らしかったです。
飲み会にはまず出席しないし、雑談にも加わらないから、飲みニュケーションを大事にする羊とも合わなかったりで・・・数ヶ月でふわりと契約終了していくことが多かった。
いわゆるスターシード系だったのかもしれないですね。
当時の私は立場上、飲み会に参加しないとか、ありえなかったので彼らを羨望の目で見ていたのかもしれません。
着ぐるみを脱いで軽くなれたのは、鏡を見せてくれた、みんなのお陰です。
嘘つきで未熟なマネージャーに付き合ってくれた上に、楽しい時間もたくさん過ごさせてくれた、大好きな羊さんたち・・・もとい!
素敵なデザイナーさんたち、本当にありがとうございました
・・・と、ここに書くのもなんですが(笑)
みんなの幸せを心から祈っています。
(おばあさん羊の独り言でした^^)
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