夜道にご用心
40にして生まれて始めて犬のうんこを踏んだ。
これまでにギリギリはあったと思うけど、こんなにきっちりと、ムニュっと、実感の持てる踏み方をしたことはなかった。出先からの帰りがけ、駅から歩いていて家は目前といったところでの出来事だった。暗くて全く見えてなかった。
夫に「あそこの草むらで取れるかな?」と街路樹の草むらを指されたけど、信号待ちのドライバーや、通りすがりの人たちに『この人うんこ踏んだんだ…』って絶対バレるじゃないか。どうにかしなければ家に入れてもらえそうにないので、近所にグラウンドがあるのでそこでズリ歩きすることにした。
とりあえず、公園でズズ〜と患部を引きずりながら歩いた。やり方がよくわからなかったし、夕方のすごい雨で地面が濡れてて砂泥が靴裏の溝に余計に入り込んでいるような気もした。枝で書き出すことも考えたけれど、飛び散るリスクも高そうなのでやめた。適当な草むらがあればそっちの方が良かったかもしれない。葉っぱがデンタルフロスみたいな感じで掃除してくれそうだ。
夫からは臭いもの扱いを受け、暗がりの公園を1人ズリズリ歩く羽目にはなったけど、この出来事が今日もまたここに書こうという気持ちにさせてくれた。
帰ると、つるんとしたノミちゃんがおむつ一丁でお風呂から出てきた。「お風呂でカカ(うんこ)した。」と焦った夫が浴室を掃除していた。家族でうんこに見舞われた夜、最強の運を手にしたと信じよう。
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