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お願いだから一回、暗闇の中でうんこしてみてくれ
タイトルの通りだ。お願いだから、一回、暗闇の中でうんこしてみてくれ。そうすればお前の人生は少しだけ変わるだろう。もちろんいい方向にだ。それは俺が保証する。
まず、電気を消す。昼間でもそれで真っ暗なら構わない。だが、窓があるようなら夜にやることだ。月明かりや雪明かりも可能な限り遮断してほしい。ウォシュレットの小さな明かりも消すべきだろう。重要なのは視覚情報を一切断つことだ。聴覚情報も邪魔なことはとは言うまでもない。できる限り静粛な場所を選ぶべきだ。そして、洋服を脱いで便座に坐ってくれ。話はそれからだ。
できたか? よし。そこでうんこをしてくれ。脱糞、排泄、表現は何でもいい。とにかくうんこをしてみてくれ。内臓のなかをうんこが通っていく感覚がするはずだ。それを深く深く、ただ知覚しろ。考えるな、感じるんだ。内臓感覚と一体化しろ。どうだ? そんな体験したことあるか? この便通の快感を噛み締めろ。お前の肛門と内臓から一つの感覚が宇宙のように広がっていくとことに気がつくはずだ。それはまるで、自分が原腸だけになったような錯覚に陥るに違いない。それだ。それを感じ続けるんだ。
終わったか? どうだ。何をお前は感じた? それを言語化する必要はない。ただ、感覚に集中してくれ。そのあとは好きに処理するとよいだろう。いつも通り、ウォシュレットを使ったり紙で拭いたりするんだ。そうしたら、できる限りリラックスしろ。横になってもいい。俺はそうしている。照明は弱くしたり間接照明にしたり消灯したりしろ。とにかくリラックスできる空間にいることが大事だ。そして、それでも余韻として残る排泄の感覚をとにかく内観して知覚しろ。驚くほどその快感が持続することに恐れおののけ。一分、二分、十分、いや、もっともっと排泄の快感は続いていくはずだ。
胃腸が弱くて苦痛を感じるようなら無理はしなくていい。あくまで健康体でやるべきだ。病院に行ってみることも考慮しろ。まずは相談だ。恥ずかしがることじゃない。まあ、いい。話を戻そう。食べること寝ることが趣味だと言うやつは多い。入浴も含めて、生理的快感を趣味にすることは悪ではない。大事なことだ。だが、うんこをする生理的快感をお前は無視してやいないか? それは人生を損している。人生から、うんこから、逃げるな。
わかってる。現代人は、何かと忙しい。トイレでは携帯電話をいじったりして余計な情報をインプットしている。仕事のメールをチェックしているのかもしれない。それは重要なことなんだろう。咎める気はない。だが、排泄中にゲームをしたり動画をみたりしてはいけない。もっと自分自身と向き合うべきだ。
言いたいことはいい終わった。とにかく、人生には数多くの娯楽や快感がある。その機会をむざむざ無視しないことだ。脱糞や便通や排泄は、その大きなイベントのひとつだ。サウナで整っている場合じゃない。下水道代は払っているんだろう? なぜうんこの快感をすぐにスルーしてしまうんだ。うんこは流しても快感は流すな。俺が言いたいことはそれだけだ。わかったら、新しい人生に彩りが増えた事実を受けとめてくれ。そう、お前の人生は少しだけいい方向に変わったんだ。よかったな。