ダレカAB

AとBがそれぞれの視点で音楽のコトを書いていきます。 基本月水金更新を予定しています。

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ダレカAB-自己紹介-

はじめまして。ダレカABです。 音楽が好き。 それだけが共通点のAとBが、ふとした時に 「2人で同じ曲の300文字レビューを書くのはどうだろう?」 そんな事を思い付いて始めた「ダレカAB」です。 書くならお互いが好きなアーティストが良いねと、BUMP OF CHICKENの楽曲を発表順に書いていきます。 更新は月水金を予定していますが、お互いのその時の状況によって前後するかもしれません。 同じ曲なのに、AとBそれぞれ全く違うレビューをお楽しみ下さい。 ダレカAとダレカ

    • 子守唄-睡眠時間/BUMP OF CHICKEN(B)

       1日が終わり布団の中に入ってから眠りにつく前に、その日に起こったことを一通り振り返ると同時にグルグルと色んな事を考える。  自分のこと、大好きな人のこと、宇宙のこと、そしていずれ自分にも訪れる「死」のこと。  考えても考えても答えの出ない思考の落とし穴にはまってしまい、ついには恐ろしくなってしまってドキドキして眠れなくなった事が誰にだってあるだろう。  子どもの頃だけで終わるかと思ったそれは大人になった今も変わらず、答えの出ないことを考えて悶々とした夜を過ごしてしまう

      • 自分自身-オンリー ロンリー グローリー/BUMP OF CHICKEN(B)

         アルバム『ユグドラシル』のリリース1ヶ月前にシングルカットで先行販売されたBUMP OF CHICKENならではの疾走感が楽しめる四つ打ちダンスチューン。  アルバムではボーカル藤原のコーラスから始まるが、シングルではギターのストロークから始まるバージョン違いとなっている。  曲とは対照的に歌詞は非常にシビアな内容をテーマとしており、挫折を経て死んだと思った自分の心を蘇生し、再び光の差す方向へ歩き出そうとする主人公を鼓舞するのもまた主人公自身である。  それは絶望の淵に立ち

        • 船出–Sailing day/BUMP OF CHICKEN(B)

           日本語で船が海へと出港する日を表す「航海日」とタイトルを冠したこの楽曲は、東宝系アニメ映画『ワンピース デッドエンドの冒険』の主題歌として作られた楽曲だが、作品をイメージした曲を作るのではなく、あくまで彼ら自身が作りたい曲を作る事でタイアップ曲にとどまらず映画を知らないリスナーにも開かれた曲となっている。  その後もゲームや映画などのタイアップ曲を数多く手がけているが、基本的な姿勢は変わっていない。  パワー溢れるロックナンバーで、イントロから疾走感あふれるテンポで冒険前の

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          金髪-ロストマン/BUMP OF CHICKEN(B)

           発表から20年近く経ち、令和になった現在もBUMPのシングル曲人気ランキングの上位に位置し続け、企業のCMタイアップに起用されるなど変わらず人気がある『ロストマン』。  何年経っても色褪せない曲である事は、藤原基央が「童謡」を作りたいと言い続けている事に対しての世論からのアンサーに他ならないと思う。  タイトルにも入っている「ロスト(Lost)」には「迷う」と「失う」などの意味があり、歌詞の中でもこの二つの言葉が出てくる。しかしネガティブなワードをネガティブな印象のまま使

          金髪-ロストマン/BUMP OF CHICKEN(B)

          ダラダラ-ホリディ/BUMP OF CHICKEN(B)

           誰もがずっとこのままで居たいと願うあの時間を、飾らない言葉でゆるゆると唄うミドル・ナンバー。  この歌の主人公からは現実と夢を行ったり来たりする様にぼんやりふわりとした怠惰な印象を受けるが「起きないぞ」と“怠惰に対する確固たる意思”を感じられる。“怠惰に対する確固たる意思”なんて怠惰と正反対な言葉の繋がりにも思えるが、その矛盾がこの主人公をコミカルな雰囲気にしている。  だが歌詞の中には、上手くいっているのは夢の中だとわかっている事、巧くいかない日々をいっそ止めたくなっ

          ダラダラ-ホリディ/BUMP OF CHICKEN(B)

          片想いソング-スノースマイル/BUMP OF CHICKEN(B)

           ラブソングというより、片想いソング。  いや、ひょっとしてまだラブにも発展していないもっと前の段階で儚く繊細な想いを含んだ唄なのかもしれない。  冬の寒さを理由にしないと手も握れないし、隣に並んで歩く事も出来ない、しかも今後雪の積もった道を一緒に歩く事はないと思っている。それでも、今一緒にこの道を歩いている人の笑顔に沢山のものを受け取っているのであろうピュアで硬派な主人公の姿が感じられる。  最終的に彼は同じ季節に同じ道を1人で歩いているけれど、全体的に優しいメロディ

          片想いソング-スノースマイル/BUMP OF CHICKEN(B)

          幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

           タンポポとライオン。  ただそこに咲いているだけのタンポポの存在に、心救われたひとりぼっちのライオン。  タンポポに意志などないけれど、ライオンはタンポポが自分に応えてくれていると思っている。  そんな彼は死の間際でも物言わぬタンポポの事を変わらず想い続けていた。  完全に一方通行で片想いなその姿は、側から見てとても滑稽で痛々しくも思える。  しかし、ライオンの視点から見ると最後まで大切なタンポポの事を思い続ける事が出来たのだから、そこには幸せな想いしか存在しないのだと

          幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

          君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

           アコースティックギターを基調とした穏やかなテンポでゆったりと進んでいくメロディーに、疲れきった1日の終わりをゆるゆると歌う優しい曲だ。  歌詞には色々話したくてもぐるぐる考えてしまい結局言葉を飲み込む……そんな鬱々とした状態の「僕」と、そんなことなど知りもしないで「元気?」と電話で聞いてくる「君」が登場する。  多くを話さなくても、たった一言で心が救われる事がある。  どんなに自分がダメダメでどうしょうもないと思っていても、そんな事情などお構いなしな相手の一言だからこそ、そ

          君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

          誰が為に振る旗–メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN(B)

           人には忘れてしまっていた何かを思い出すためのきっかけがいくつかある。  それは言葉だったり、匂いだったり、映像だったり……トリガーとなるものは人それぞれだ。  そのトリガーを「歌」に託したのがこの「メロディーフラッグ」だ。  目まぐるしく移りゆく世界から振り落とされないよう必死で生きている我々は、色々なものを置いてけぼりにしたりわざと忘れたりして生きている。    そんな生活を続けているといつしか忘れている事さえも忘れてしまう。  疲れて立ち止まったその耳にも聞こえるように

          誰が為に振る旗–メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN(B)

          とある日-ベンチとコーヒー/BUMP OF CHICKEN(B)

           自分の前を通り過ぎ行く人々が、それぞれしっかりと日常を送りながら通り過ぎる様を一日中ぼんやりとベンチに座り眺めている。ギターのリフが印象的なイントロで始まりゆったりとしたテンポの音がこの日記の様な歌にぴったりだ。  行き交う人々と自分を比べては自己嫌悪に陥りつつ自分の内面と向き合う男は「実際にそんな1日があったのだ」と語った藤原を彷彿とさせる。  児童を赤黒のランドセルで表すなど藤原らしい表現もあるにはあるが、自分が見たままをそのまま素直に詩に落とし込んでいるのが少し珍し

          とある日-ベンチとコーヒー/BUMP OF CHICKEN(B)

          おまじない-バイバイサンキュー/BUMP OF CHICKEN(A)

           4月といえばクラス替え、入学、就職、引っ越し...etc、新生活の始まる時期。自分がそれまでいた環境から、殆ど何も分からない新しい環境に飛び込む時というのは、いつまでたっても慣れない。一番の原因は、”この先どうなってしまうのか?”、”一人ぼっちで寂しい”など、ネガティブな感情が頭の中を駆けめぐることで膨らんでしまう不安感。  この楽曲は、そんな不安感を優しい音色で包み込むように広がっていく。そして、未知と出会うワクワクや、これまでのことが全て無かったことになる訳ではなく、繋

          おまじない-バイバイサンキュー/BUMP OF CHICKEN(A)

          新時代-天体観測/BUMP OF CHICKEN(A)

           20世紀から21世紀に変わる時。TVがこぞって、世界中の人たちが新しい時代の幕開けに胸を高鳴らせ、光に満ちている様子を映し出していたのを覚えている。  だけど思い返せば、当時も変わらず世界はゴタついていたから、暗い空気も入り混ざって、行く先は混沌としていたのだと思う。  そんな、21世紀の最初の年にリリースされた楽曲は、ナイーブな空気感が漂うけれど力強く響き、否が応でも昂揚感が漲る。それは、まるで混沌とした空気を晴らそうと眩しい音を放ち、光で満たそうとしているみたいだ。  

          新時代-天体観測/BUMP OF CHICKEN(A)

          カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

          「天然な増川とそれに振り回される藤原の図」 という言葉で表すのがとてもしっくりくる。 共にBUMPのギタリストである二人の共作で、普段から仲の良いカイワレコンビのほのぼのとした情景が安易に想像出来る小気味良いテンポのミディアム・ナンバーである。  他人とのコミュニケーションの比喩として”言葉のキャッチボール”がよく使われるがこの楽曲も相手とのやりとりをキャッチボールを通して表現している。  言葉のキャッチボールが下手くそな”君”とそれを意地でも受け止めようとする”僕”。  

          カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

          グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

           哀愁が漂う空気の中から、勢いよく飛び出す音、オーバー気味なコミカルな表現。まるで、悲劇を無理くりにでも喜劇として塗りつぶそうとして跳ね回っているみたい。  一緒に収録された表題曲「ダイヤモンド」では彼らの歩みを唄い、コチラでは彼らのスタンスを唄っているように思う。  というのも、近年の彼ら、特にフロントマンである藤原基央が頻繁に口にしていることの中に、"自分たちの楽曲は、見つけてくれた貴方の傍に何時でも寄り添っている"という旨のモノがあって、この楽曲はそれを体現している

          グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

          自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)

           イントロで2本のアルペジオがキラキラと絡み合い優しいテンポで始まるのがとても印象的な曲で、後半に進むにつれまるで苦しげに自身の内面を吐き出すかの様なボーカルに胸がギュッと締め付けられる。  そして明るく始まる印象とは真逆の歌詞「淋しい時は寂しいと言いたい」という思いが藤原独特の言葉選びで丁寧に紡がれている。  リリース当時のインタヴューでTitle of mineの詞に対して当初は「ゲロを書いてしまった」とかなり自嘲気味に語っている。  「ダイヤモンド」という”他”に向けた

          自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)