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10月12日 森鴎外week②No.22『山椒大夫』
本日は、森鴎外week2日目です!
前回は、森鴎外の「高瀬舟」をご紹介しました。
今回は「山椒大夫」です。
私はこのお話を読んでなんと2回泣けました。
簡単なあらすじはというと、
遠方で働いていて連絡先がとれなくなった父親を探しに、母親と娘、息子が旅をしている途中に人さらいにあい、親子は離ればなれになって、姉弟は売られて使用人として働くというお話です。
姉弟愛や、親子愛が描かれていて、読み進めるうちに気づけば泣いていました。
お話自体もすごくよかったのですが、森鴎外についても知るともっっつと作品を楽しめます
森鴎外は島根県に生まれ、幼い頃から神童と言われてきました。あまりの賢さに、高校一年生の時に東大の医学部を受けて合格します。その後も主席で卒業しドイツ留学をするなど、エリートの道をまっしぐらに進んでいました。
その森鴎外が絶好調の時に書いたのが、ドイツを舞台にした「舞姫」です。
また鴎外はあまりに賢いのと、弁が立つので多くの敵もいました。
多くの敵を作ったがゆえに恨みを買い、福岡県の小倉に左遷されてしまいます。
そこで貧しい人々と接していくうちに、これまでのエリート意識的から性格が丸くなっていきました。
その人の暖かさというものを理解し始めた晩年の頃に書いたのが、「山椒大夫」でした。
ものすごいエリートで、しかも「舞姫」の話にあるように妊娠した恋人を置いて自分は故郷に帰った冷酷な男が、
こんな人情のこもった話を書いたことに驚きました。
山椒大夫