囚人のジレンマ

シノビガミ シナリオ「prisoners' dilemma(囚人のジレンマ)」

▼トレーラー

「ここはどこ?」
あなた達は見知らぬ空間に居る。理由は三者三様だ。
どうやらここは金属で囲われた部屋のようだ。
周りには自分と同じようなシノビが数人いる。
突然、スピーカーから声が聞こえてくる。
???「こんにちは!シノビの諸君!皆、目が覚めているかい?そしたらゲームを始めようよ。楽しい楽しい”A/Bゲーム”を」

▼シナリオ情報

使用ルルブ:基本ルールブック(大判)準拠
  →詳細:背景・奥義改造あり
シナリオ名:prisoners' dilemma
対応人数 :4人
タイプ  :特殊型
リミット :3サイクル
プレイ時間:3~4時間(オフセなら5~6時間)
プライズ :1つ
エニグマ :あり
舞台   :現代編
シーン表 :閉鎖空間シーン表(オリジナル)
階級   :新規中忍推奨(継続の場合、功績点は10点まで)
ロスト  :なし

▼シナリオの流れ

見知らぬ空間の一室に集まる。
A/Bゲームをさせられることになる。
対立して戦闘する。最終A/Bゲームを行う。

▼シナリオ背景

PC2の流派が、シノビ同士でデスゲームをさせ、争わせることで奥義や忍法の秘密を探ろうとした。実行犯はPC2とエネミーの「黒幕」。というかPC2は、「黒幕」の計画に首突っ込んできただけでほとんど何も知らない。そのため、「黒幕」は邪魔なPC2もろとも始末する予定。
スピーカーで話しているのは「黒幕」で、実は部屋の影に幻術で隠れている。
なので、PLに「監視カメラとかないの?」と聞かれても「見当たらない」といって下さい。
エニグマ「照明」が解除された後、部屋を調べられた場合、「PC以外のシノビの存在」をほのめかしてもいいかもしれません。

▼OP

あなた達は見知らぬ空間に居る。理由は三者三様だ。

どうやらここは金属で囲われた部屋のようだ。
周りには自分と同じようなシノビが数人いる。
突然、スピーカーから声が聞こえてくる。
???「こんにちは!シノビの諸君!皆、目が覚めているかい?そしたらゲームを始めようよ。楽しい楽しい”A/Bゲーム”を」

PCの紹介してもらう。(初対面ならPL紹介も)

A/Bゲームの説明。↓のルールを説明していく。

PC同士の秘話がシナリオ中いつでも可能な事をPLに伝えておきましょう。(オフセだと難しい場合もあるのでGMはメモ用紙を用意する等、対応をお願いします。)

▼本編

マスターシーン1「A/Bゲーム」
タイミング:毎ラウンド終了時

???「それじゃあ早速A/Bゲームを始めよう!ルールはちゃんと確認したかい?」

A/Bゲームを行い、その結果を公開する。
ゲームを行う前に互いに話し合う時間を作ってもOK。

A/Bゲームのルール

・毎ラウンド終了時に、1vs1でA/Bゲームが行われる。(組合せは不明)
・PLはカードを伏せた状態で「協力」or「裏切り」を選び、その結果で獲得ポイントが決定する。
・手番を消費することで、好きな相手に好きなタイミングでA/Bゲームを仕掛けられる。
・クライマックス戦闘終了後、勝利したキャラは『全員と一回づつA/Bゲームを行う』または『(自身を含め)好きなPCを一人選び、4ポイント獲得させる』のどちらかを選択する事が出来る。
・エンディング時、9ポイント以上所持しており、PCの中でポイントが最大の者のみ脱出できる。
・初期所持ポイントは5P、獲得ポイントは次の表の通り。

画像1

A/Bゲームの隠しルール(HOの秘密に記載されているため、最初のルール説明時にPLに教えてはいけない。)

・隠しルール1『同ポイントの者が複数いた場合、その全員が脱出出来る。』
・隠しルール2『脱出者はポイントの半分を功績点として獲得出来る。(端数切上げ)』
・隠しルール3『A/Bゲームの組み合わせは、1回戦がPC1vsPC2、PC3vsPC4。2回戦がPC1vsPC3、PC2vsPC4。3回戦がPC1vsPC4、PC2vsPC3の順番で行われる。』

※PC同士の秘話がシナリオ中いつでも可能です。オフセならメモ用紙、オンセなら個別チャット等を活用して下さい。

※戦闘が長引き過ぎるのを防止するため、クライマックス戦闘では、6R目開始時に戦場が「極地」に強制的に変更され、固定されます。(これ以降、戦場は変更不可)

▼クライマックス

▽9P以上獲得しているPCが存在しない場合
「やあやあ、勝負は決まったようだね………あれ?勝利者なし!?こーんなに疑心暗鬼になっちゃうとは想像以上だね。でも、君たちにもまだチャンスがあるんだよ。言いたいことわかるよね?じゃあ!シノビらしく殺し合ってもらいましょー!」
→クライマックス戦闘開始

▽9P以上獲得しているPCがいる、かつ獲得ポイントに差がある場合
「やあやあ、勝負は決まったようだね。PC○(とPC○)の勝利だよ………。と言うと思った?実は敗北者の君たちにもまだチャンスがあるんだよ。言いたいことわかるよね?じゃあ!シノビらしく殺し合ってもらいましょー!」
→クライマックス戦闘開始

▽全員9P以上獲得しており、獲得ポイントに差がない場合
「やあやあ、勝負は決まったようだね………あれ?あれ?あれ?集計機の故障じゃないよね!?何で!?何なのさ!?全員勝利しちゃった!?嘘でしょ!?………。はぁ、もういいよ。こうなったらド派手ー!に戦ってもらうからね!」
部屋の影から突然一人のシノビが現れる。
「ゲームも演技も茶番も終わりだ。貴様らのデータは手に入った。とっとと始末させてもらう。」
→クライマックス戦闘開始
(PC2が比良坂機関ならエネミー「黒幕」、斜歯忍軍ならエネミー「機神」を追加する。)※P188参照
※エネミーは、これまでに奥義を使っているキャラがいれば、その奥義の内容を獲得する。「揺音」などを持っているキャラがいれば、見切り判定をこのタイミングで行う。
※エネミーの動きは無差別に全員を(PC2を含め)攻撃するでOK。

※戦闘が長引き過ぎるのを防止するため、7R目開始時に戦場が「極地」に強制的に変更され、固定されます。(これ以降、戦場は変更不可)

▼エンディング

▽脱出した人が一人以上いる
勝利したあなた(達)は、扉を抜けて外へと飛び出した。朝日があなたを照らし、鳥のさえずり声が聞こえる。どうやらここは山奥のようだ。
あなた(達)はこの選択を後悔するだろうか?それとも満足しているだろうか?
いずれにせよ、これがあなた(達)が辿り着いた結末なのだ。
→後は好きに個別描写

▽脱出した人がいない
血と鉄の匂いがあたりに充満している。戦いは終わったのだ。
あなた達の耳にあの声が聞こえてくる。「ゲームは終わりだよ。君たちのデータは十分集まった。もう用無しってことさ。」
あなた(達)はこの選択を後悔するだろうか?それとも満足しているだろうか?
いずれにせよ、これがあなた(達)が辿り着いた結末なのだ。
→後は好きに個別描写

▼PCハンドアウト

▽PC1 推奨:ハグレモノ・隠忍の血統
使命:
あなたはある任務の実行中、何者かの襲撃を受け、ここに連れてこられた。こんな所からさっさと脱出して、本来の任務に戻らなければならない。あなたの使命は「ここから脱出すること」だ。
秘密:
他にも自分と同じような忍者達がいるようだが、いかんせん信用ならない。とっとと自分だけでも脱出しよう。あなたはメインフェイズのA/Bゲームにおいて、必ず一回以上は「裏切り」を選択しなければならない。

▽PC2 推奨:比良坂機関・斜歯忍軍
使命:
あなたはとある実験のためと称され、ここに連れてこられた。ここで何が行われるのかはわからないが、ゲームと聞いちゃ黙ってられない。あなたの使命は「ここから脱出すること」だ。
秘密:
あなたはこのゲームを仕組んだ黒幕の一味である。計画については詳しく知らないが、ゲームと聞いて黙っていられず、参加者として入れてもらった。「自分が勝つだけなら簡単だ。自分以外の誰かを勝たせてやる」と仲間に豪語してきた。
あなたの本当の使命は「PC○を勝利させ、脱出させること」だ。
※セッション開始前に、PCを一人選択し、GMに伝えておく。

▽PC3 推奨:鞍馬神流・私立御斎学園
使命:
あなたは人を探しており、その人物がここにいるという情報を得たため、探しに来た。どうやら、あなたを捕らえるための嘘だったようだ。ここにはもう興味がない。あなたの使命は「ここから脱出すること」だ。
秘密:
あなたは他人に裏切られる事が許せない。あなたを裏切った人間は一人たりとも見逃したことはない。
あなたの本当の使命は「メインフェイズのA/Bゲームにおいて、自分に対して「裏切り」を選択した人物全員の【生命力】を、クライマックスフェイズに0にすること」だ。
※誰も「裏切り」を選択しなかった場合、表の使命を優先する。
※自分の攻撃が原因でなくてもOK。

▽PC4 推奨:なし
使命:
あなたはこの施設を調べている最中、いつの間にかこの部屋に閉じ込められていた。まんまとハメられてしまったようだが、思惑にのってやることもない。あなたの使命は「ここから脱出すること」だ。
秘密:
あなたはこのゲームに、誰かはわからないがPCの中に黒幕の一味が紛れ込んでいるという情報をつかんでいる。
大方、疑心暗鬼にでもさせようとしているのだろうが、私はここにいる仲間を信じたい。惑わされたりなんかしない。あなたの使命は「ここから脱出すること」だ。
あなたはA/Bゲームの対戦相手に、表の発言もしくは秘話で、自分が「協力」or「裏切り」のどちらを出すかを伝える場合、その内容に嘘をつくことができない。ただし、この「秘密」を知らない相手がその発言を信じるかは保証しない。(秘話だとGMが確認出来ない場合がありますが、ちゃんと守ってね!)

▼その他ハンドアウト

▽【モニター】:A/Bゲームのルールが表示されている。これで全てのルールなのだろうか?
 秘密:画面をタッチすると、画面が切り替わり新たなルールが表示された。隠しルール1「同ポイントの者が複数いた場合、その全員が脱出出来る。」

▽【スピーカー】:さっきの声はここから流れていたようだ。無線でどこかにつながっているらしい。
 秘密:突如スピーカーから、あなただけが聞こえる音で話しかけてくる。???「君だけに教えてあげるよ。実は君が持っているポイントはものすごーく価値があるものなんだ。」隠しルール2『脱出者はポイントの半分を功績点として獲得出来る。(端数切上げ)』

▽【扉】:金属で作られた扉。シノビ達の力をもってしても、開くことが出来ない。
  秘密:よく見ると小さな文字で何かが書いてある。隠しルール3「A/Bゲームの組み合わせは、1回戦がPC1vsPC2、PC3vsPC4。2回戦がPC1vsPC3、PC2vsPC4。3回戦がPC1vsPC4、PC2vsPC3の順番で行われる。」

▽【A/Bルーム】:A/Bゲームを行うための個室。4つ並べて用意されており、中には「協力」「裏切り」を入力するための装置が設置されている。
 秘密:拡散情報。A/Bルーム同士の隙間に何かが落ちている…。この秘密を最初に獲得した者は、プライズ【真実の珠】を手に入れる。

▽プライズ【真実の珠】:ピカピカ光る珠。一緒に落ちていたメモには「おめでとう!これを使えばA/Bゲームが有利になるよ!!」と書かれてある。持ち主はこのプライズの秘密を見ることができる。
 秘密:A/Bゲームの開始前に使用できる。次のA/Bゲームで相手が「協力」「裏切り」どちらを出すかを確認してから、「協力」or「裏切り」を選択できる。この効果は一度しか使用できず、使用後は【濁った珠】(効果なし)へと変化する。使用した瞬間、このプライズの秘密は全体公開される。

▽プライズ【濁った珠】:一度使用した事で力が失われたようだ。二度と輝く事はないだろう。
 秘密:特になし

▽エニグマ【落書き】
 【偽装】:『気を抜くな!誰も信じるな!レーザーガンを手放すな!』と書かれてある。
 【脅威】:「混乱」脅威度1 解除条件:自動 誰かが情報を入手したとき、「情報共有」を無効化する。
 
▽エニグマ【照明】
 【偽装】:やけに薄暗く、何かを調べるのにも一苦労だ。
 【脅威】:「情報工作」脅威度3 解除条件:計画判定《記憶術》 誰かが情報判定を行おうとしたとき、その判定に-2の修正をつける。
 
※PC同士を疑心暗鬼にするために、PCの秘密を抜こうとした時に発動するのもあり?

▼閉鎖空間シーン表

2:突如照明が落ちる。しばし暗闇が続く。
3:一触即発の雰囲気。今にも戦いが始まりそうだ。
4:初対面の相手ばかりだ。目の前のシノビは、はたして信用出来るのだろうか?
5:極限状態の中、不思議と落ち着いてきた。
6:「あー、あー、マイクテスト」ふざけた声がスピーカーから聞こえる。
7:次に選ぶのは「協力」か? それとも「裏切り」か? 考えを走らせる。
8:腹が減り始めた。時計は見当たらないが、今は何時なのだろうか?
9:スマートフォンを調べる。どうやら外部との通信は妨害されているようだ。
10:外部の音が全く聞こえない。ここは地下なのだろうか?
11:緊迫した雰囲気に耐えられそうにない。どうにか和ませられないものか。
12:だれかが落としたのか?「兵糧丸」を一つ獲得する。

▼ありそうな質問への回答

・従者は使用可能ですが、A/Bゲームに参加したり、ポイントを得られるのはPCのみです。

・手番を消費してA/Bゲームを仕掛けた場合、調査判定や感情判定と同様に、ドラマシーン用の忍法や補助判定を行えます。

・エンディング時、ポイントが最大のPCが死亡していた場合、誰も脱出する事が不可能になります。(弱点「侵蝕」や「死亡攻撃」で死亡した場合の話なので、シナリオの展開上死亡する事はありません。)

・ポイントの最低値は0です。マイナスの値にはなりません。

・PC同士の秘話がシナリオ中いつでも可能です。オフセならメモ用紙、オンセなら個別チャット等を活用して下さい。(大事な事なので二回いいました。)

▼更新履歴

2019/08/29
初期所持ポイントを0→5に、脱出に必要なポイントを4→9に変更しました。ポイント管理をしやすくするためなので、バランスに影響はありません。

2019/09/01
・PC同士の秘話を明文化。
・継続キャラの功績点の制限。
・A/Bゲームのルールを変更・分割し、一部をHOに挿入。
・クライマックス戦闘の報酬に「自身を含め)好きなPCを一人選び、4ポイント獲得させる」を追加。
これにより、全員敵対時に全員裏切り連打で報酬の意味がなくなるという問題の解消。
さらに、PC2が勝利する事で選択したPCを勝利させやすくなった。
・戦闘が長引き過ぎるのを防止するため、7R目開始時に戦場が「極地」に強制的に変更され、固定されるように変更。

・PC3とPC4の立ち位置を変更。これにより、PC1の裏切りによる対立が発生しやすく。
・PC4(元PC3)の使命・秘密の記述を分かりやすく変更。

・【部屋】のHO削除。
・【モニター】【スピーカー】【扉】の秘密を変更。
・隠しルール2『脱出者はポイントの半分を功績点として獲得出来る。(端数切上げ)』の追加。
これにより、クライマックス戦闘で勝利したPC1やPC4(元PC3)がすでにポイント最大だった場合、他のPCを助けるか、それとも自分の功績点を増やすか、という葛藤が生まれるようにしました。

・PC死亡のゲーム上の扱い変更。
・ポイントがマイナスにならなくなりました。

2019/09/01(Ver2)
・レギュレーションの記載を詳細にしました。
・レギュレーションにプライズの存在・個数を記載しました。
・GM用に『A/Bゲームの隠しルール』を記載しました。
・『A/Bルーム』の秘密を「この秘密を最初に獲得した者は、プライズ【真実の珠】を手に入れる。」と書き換えました。

▼後書き

本シナリオ作者のマッチです。ご覧いただきありがとうございました。

 このシナリオには2つのテーマがあり、1つ目がPLに意思決定・選択をさせる事。2つ目が疑心暗鬼にさせる事です。この2つを体験させるために『囚人のジレンマ』ゲームを用いました。(元ネタは『善人シボウデス』というゲームです。)

 普通にA/Bゲームをさせれば、なんとなく『裏切り』を選び辛いという理由で『協力』を選んでしまうのではないか?(初対面のPL同士なら特に)との心配から、『裏切り』を選んでしまう仕掛けをいくつか用意してあります。(例:PC1の秘密、プライズ『真実の珠』)

 第一回テストプレイが完了しました。
 結果は「PC2以外全員脱出」かつ「全員使命達成」という、10回やって1回見れるか否かのエンディングが発生しました。
 たぶんループものの主人公が紛れ込んでたんだと思います。

 回してみて思いましたが、このシナリオはGMやPLによって変化する余地がかなり大きいです。
・GMが「エニグマ【照明】」をPCの秘密に多く使えば、PC同士の疑心暗鬼が強まるでしょう。
・PC1が「裏切り」を先延ばしにすれば、第2回のA/BゲームでPC3と敵対するかもしれません。
・PC2がPC3の脱出を使命に選べば、対立型っぽくなるでしょう。
・PC4は他PCを信頼できるの?出来たとして協力してくれる?
とエンディングも多彩に変化しそうなので、回した結果も是非聞いてみたいです。

 プレイする上での不具合などありましたら、コメントで教えて下さい。

最後に本シナリオ用のUdonariumデータを乗っけておきます。(D_Gaunts氏のものを改変させて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。)


↓にPL用が見て良い部分を抜粋しました。


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