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Vol.7 武士道を体得する~言うを成す「誠」~
はじめに
はじめまして!無知の大学生と申します!
私は「武士道」を学び、その学びを現代に活かす方法を模索しています。このnoteでは新渡戸稲造の『武士道』を章ごとに読み解き、現代社会における実践方法を考察していきます。
今回は第六章「誠」について、その本質的な意味と現代における実践方法を探ります。
第六章 「誠」
武士に二言はない
「誠」は「言うを成す」と書きます。それはそのまま「言ったことは必ず成し遂げる」ことを意味します。
武士は嘘をついたり、ごまかしたりする人間を卑怯者とし、何よりも軽蔑しました。
武士に二言はなく、約束を破ったり、嘘をつけば死をもって償ったといちます。それほど不誠実であることを嫌いました。
「誠」の人間が手にするもの
武士道の中で、誠に関するふたつの言葉が紹介されています。
心だに誠の道にかなひなば祈らずとても神や守らん
(心の持ち方さえ誠の道に沿っていれば、祈らなくても神のご加護はあるものだ)
つまり、真面目に正直でいれば、神様はそれを見てくれており、きっと助けてくれる、という意味です。
至誠にして動かざるものは未だこれ有らざるなり
(誠を尽くして向き合えば、心動かされない人はいない)
一切嘘をつかず、必ず約束を守る人は、時に人に感動を与えて、尊敬を集めることができる、という意味です。
短期的に成功するのは狡猾で口が上手い人かもしれません、しかし最後に成功や人望を手にすることができるのは、「誠」の人間なのです。
心の弱さ
武士は嘘が「心の弱さ」から来るものだと考えていました。だからこそ、その心を鍛えるために、「誠」の徳目に頼りました。
逆に言えば「誠」の徳目に頼らなければ、真実だけで生きることは難しい、それほど一切の嘘をつかないことは難しいのです。
だからこそ、武士は「誠」を最高の徳目とし、文字通り命を懸けて「誠」を貫きました。
体得
この「誠」に関して言えば、その体得法は「嘘をつかない」「約束を守る(守れない約束はしない)」でしかないと思います。
常に「正直者」であろうとし、仮に嘘をついてしまったり、約束を破ってしまったら、卑怯者である自分を反省し、相手に謝罪をする、そして次はないと誓う、それを繰り返すほかないと思います。
腹を切るわけにはいきませんが、そのくらいの自責の気持ちを持つことは大事です。
正直者が得をする
よく「正直者はバカをみる」と言いますが、本当にそうでしょうか。
嘘をついて相手を欺く人間は、目先の利益は手に入れているようには見えますが、最終的に人望を集めて成功を収めているのは「誠」を貫いている人格者であるように思えます。
最近は、表現は別としても、常に正直である人間が人気を集めています。例を挙げれば、粗品さんやホリエモンさん、東出昌大さんなどなど。
身近でも、少し無礼だけどいつでも正直な友人は皆から好かれているものです。
そして、嘘をつく卑怯者が制裁される世の中になってきました。直近で言えば、渦中のSMAPの中居正広さんやフジテレビの幹部達が浮かぶでしょうか。SNSによって情報発信が民主化され、簡単に卑怯者が吊し上げられるようになりました。
現代は「正直者が得をする」世の中なのです。
「誠」がもたらすもの
更に「誠」はもうひとつ効用をもたらします。
それは「自己実現」です。
「一度約束したことは必ず守る」はもちろん自分との約束にも当てはまります。
それを利用して、目標を掲げるのです。
例えば、夏までに10㌔痩せる、TOEICで800点をとる、武士道を体得する。
これを自分自身と約束し、それを成すまでやり続ける。このように「誠」は自分を成長させるための促進剤にもなりうるのです。
おわりに
「誠」であることは、他に対しても、自分に対しても非常に難しいことです。
その場に流されてつい約束をしてしまったり、いい顔をするために嘘をついてしまったり、僕もこれまで「誠」に反することを山ほどしてきました。
しかし、僕はこれからは「誠」に生きます。決して嘘をつかず、必ず約束を守る人間になります。
これが僕の「誠」です。