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大切な本79「結婚の奴」

押しつけがましくない知性×面白さ

能町みね子さんのことを初めに知ったのは、たぶん「オカマだけどOLやってます。」。同じ年生まれ、ちょっと世の中を俯瞰してみているような淡々としたスタンスが好きになって以来、ずっと作品を追いかけてるし、SNSでの発言にも注目している。

多趣味で幅広いジャンルを独自に掘り下げていくところは横道誠さんにも通ずるところがあるんじゃないかな(どちらがどちらに似ているとかはどうでもよく、とにかくお2人とも大好きです)。

地頭の良い人ってその知性が自然にあらわれてしまうけど、そしてご自身でもある程度認識はあるのだろうけど、殊更卑下するわけでもなく、もちろんどうだ!とひけらかすわけでもなく、周りがどう見るかなんて馬耳東風、ただただ我が道をゆくところがすがすがしく気持ちよい。そしていつもユーモアもあって、雑誌の連載コラムなども純粋に面白い。

世の中のどうでもいい出来事はさらっと流す一方で、気になることに関してはとことんこだわるところも好き。「わたしはオネエではない」と毅然と主張されたことも記憶に新しい。

私自身も拘りごとにはとことんしつこく拘りたいところがあって、時に周りに「いつまでもこだわってないで…」と呆れられることもあるのだけど、周りへの忖度であきらめたり匙を投げたくないと思ってしまう。

文字ひとつ、態度ひとつの一見ささいなことでも、その人のアイデンティティさえ揺るがすこともある。そうした小さな拘りを見逃さず問い詰めていくのって、生き方にもかかわる。
固くなりすぎず、ユーモアも忘れず、これからもひたすら拘っていきます。


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