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大切な本⑮「ヘヴン」

追いかけたい女性作家

フィクション、小説を一番読んだのは高校生の頃かな…芥川賞・直木賞作品をそれなりに読めるようになってくると〇〇賞受賞、という宣伝文句につられて選ぶことも増えてきた。世の中には自分の脳みそでは全く追い付けない世界観もあると知れただけでも有意義だったし、一方でこれは!!という作品との出会いも。この作家の作品は全制覇したい!と貪るように過去作品を遡って読んだ日々が愛おしい。

その中でも同時代を駆け抜ける作家との出会いは特に印象深い。年齢もさほど変わらない川上未映子さんを知ったのは「乳と卵」が芥川賞を受賞したときで、その独特なことばの選択やリズム感にぐっと引き寄せられた。メディアでもその見目麗しさを含めてとりあげられることが多かったから華やかな世界の人かと思っていたのだけど、その翌年に出された「ヘヴン」からは弱者にそっと寄り添う厳かで熱いトーンを感じて、この作家の作品を追いかけていきたいと思った。

子育てをしたことのない私が読んだ中で「きみは赤ちゃん」は断トツに面白いと思った育児エッセイで、絶賛子育て中の姉にもすすめたっけ。「みみずくは黄昏に飛びたつ」にはこれほど村上春樹を読み込んでいたとは…!という驚きと、本人と対等にやりあう堂々たる姿が眩しくて感動すらした。3月の朗読会ではそんなお2人の競演に立ち会えて本当に贅沢な時間だったなあ…。

朗読会でお目見えした新作含め、これからもどんな素敵な作品を届けてくれるのか…同時代を生きられる幸せよ♡


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