大切な本78「覚えていない」
愛と毒は紙一重
谷川俊太郎さんの訃報が届いた。自分は熱心な詩の読み手ではなかったものの、やはりずしんと心にこたえるニュース。同じ日に自分の家族の健康問題も明らかになり、ちょっと気持ちの立て直しに時間がかかりそう。
谷川俊太郎さん、といえばすぐに佐野洋子さんを思い出す。「100万回生きたねこ」の作者というよりも、エッセイストとしての彼女の筆致に惹きつけられてきた。
母との確執を綴った「シズコさん」、信田さよ子さんの関係著書や女優さんの暴露本など同テーマの本は数あれど、自分のなかではひときわ印象に残っている一冊。
遠慮のない歯切れ良い物言いはすがすがしく、彼女の著作は読書アプリで★がたくさんついているものばかり。
今のこの、暗黒でしかないこの国を眺めていたとしたら、彼女は何を思うのだろう…
谷川俊太郎さんのご冥福をお祈りします。
そして家族よ、ずっとお互い幸せでいようね。