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大切な本66「ショートケーキは背中から」

美味しいもの界隈

以前「「596.04」分類の本」でとりあげたフードエッセイストの平野紗季子さん。
美味しいものばかりが詰め込まれた初の著書「生まれた時からアルデンテ」、彼女のセンスや感性の高さに一気に惹きつけられた。待望の新刊も期待以上の充実度!東京界隈や地方など、物理的に行けそうにないお店も多いけれど、ネットで取り寄せられそうなスイーツなどは早速チェックしてみよう。贅沢なグルメガイドとしても使えるけど、ただ読むだけでも楽しく美味しい一冊。

同世代の小説家・千早茜さんも美味しいものへの感度が高くて、SNSにあげられる甘味やお茶…いつも美しくほれぼれする。彼女の食風景は私にとっては少し背伸びしないと届かない世界観だけど、新井見枝香さんとの共著では自分でも手の届きそうな親近感があり、こちらも味わいぶかい。

普段の自分の食生活はほとんど一人で食べることもあり、正直とても貧しく味気ない。

子どもの頃は、料理上手とは言えないまでも、専業主婦の母が手をかけた家庭料理を毎日作ってくれたことが懐かしく思い出される。

当時家庭用としてはハイスペックだった5段式のガスオーブンでグラタンを焼いてくれたり、3姉妹皆大好きだった春巻きをカラッと大量に揚げてくれたり。オイキムチやきゅうりのスープも実家の夏の食卓には欠かせなかったな。どれもこれも、私にとってはこれ以上ない贅沢な食べ物たち。

誰かと一緒に同じテーブルを囲む機会がない分、文章で美味しいものを存分に堪能する経験を楽しんでます。


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