うそをはく（103）

ロウソクの磁気に引き寄せられた食いしん坊が、万歳三唱をしていたらたおれた。野ばらのトゲに当てられた食いしん坊においりを食べさせると空に舞い上がるらしい。

火山の麓にはお惣菜屋さんが立ち並び大盛況なので、共同購入をすることにした。Excelにまとめた購入品リストには「#REF!」の文字がところ狭しと並んでいる。

悔しそうにハンカチを噛む食いしん坊は東洋思想にハマって楽園を目指すようになった。下二桁３６の宝くじばかりを買っては近場の人間を捕まえてうっとうしく絡んでくる。都度、ホワジャオに似た匂いがツンとする。

小田原からわざわざ取り寄せた包丁をみんなで分け合っていると、食いしん坊たちがお惣菜に群がってくるので、あくせくと駆除した。悪をくじくという伝説の宝玉を食いしん坊たちにかざすと、目が覚めたようにふらふらと山頂へと向かい始めた。

夜の足元を照らす老子や荘子の言葉は、まるで、あのファラデーのロウソクのようだ。

生活の怠惰を検めて、精進しないとなあ。