ムッカモカ、ブルーベリージャムを作る
みなさん、こんにちは。
今日から牝牛を主人公にしたイタリアの絵本シリーズ、ムッカモカを翻訳して紹介します。小さな仕事と暮らしの知恵がいっぱいつまったすてきな絵本たち。最初の一冊に出会ったのは、京都の北野天満宮のすぐ近くにある「アニマータ」というイタリア雑貨店です。「ムッカモカ、バタ-を作る」というタイトルにひかれて購入、この1冊で、心をわしづかみにされました。それからイタリアの古書店などに、このシリーズの絵本を注文しています。翻訳と合わせて、この本の魅力、そして小さな仕事の作り方についても、書いていきたいと思っています。
※著者のアゴスティーノ・トライーニさんに、4月に翻訳と絵の公開をお願いするメールとお手紙を送りましたら、6月になってトライーニさんからメールが届きました。(ほんとうは4月に返信くださってたのですが、届いていませんでした。)とてもあたたかく快諾して下さって、この上なくうれしいです。
さてさて、第一回目は、「ムッカモカ、ブルーベリージャムを作るの巻」です。
はじまりはじまり。
夏の美しい日です。
森からいい匂いがしてきました。
牝牛のモカは思います、「ブルーベリーが熟れているんだ」。
「ブルーベリージャムを作ろう」とモカは言います。
鍋、いくつかのガラス瓶、お砂糖、おたまを用意します。
モカは森にブルーベリーを探しに行きました。
ブルーベリーの実はとっても小さい。
モカはブルーベリーを摘みとることができません。
「子どもたちに頼もう!」と思いました。
モカは3人の子どもたちに、自分のお乳(ミルク)をコップに入れてあげました。
子どもたちは、モカを助ける約束をします。
モカは子どもたちにバスケットを渡しました。
子どもたちは、空っぽのバスケットを下げて、帰ってきます。
「ごめんね、ブルーベリーを見つけることができなかったんだ」
(子どもたちの口のまわりはブルーベリーで青くなってる)
モカは思いました、「食いしん坊じゃない助っ人を探さなくちゃ!」
モカはミツバチの友だちに助けを求めます。
ミツバチの一群が森に向かって飛んで行きます。
どのミツバチも一つずつブルーベリーを運んできて、鍋の中に入れてくれます。
モカは言います、「ありがとう、ミツバチさん。ジャムができたら、一ビンあげますね」
モカは鍋の中に、お砂糖を入れます。
雲のリナは、鍋の上でちょっと雨を降らせます。
さ~て、すべての材料が揃いました。
モカは鍋の下で火をつけます。
果物、水、砂糖はジャムに変わっていきます。
モカは混ぜます。
スプーンに少しくっつくくらいになったら、ジャムはできあがりです。
モカはガラスびんにジャムを詰めます。
かたつむりのルカは言います、「モカ、すばらしいよ」。
モカはビンのふたを閉めて、安全なところに置きます。ジャムはゆっくりゆっくり冷めていかなくちゃなりません。
冬になりました。
もう森にはブルーベリーはありません。
モカはお友だちに、ブルーベリージャムをあげます。パンとバターと、ホットチョコレートといっしょに。
おしまい。
※実物の絵本(アゴスティーノ・トライーニ作)は、もっとたくさん絵があって、付録には、クイズやゲームもついてます。ムッカモカにお手紙を書く住所もついてて、ほんとにすてき。どこかで見つけたら、きっと買いたくなります。楽天堂でもいつか販売できたらなあって、思っています。
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