あなたもすぐに簡単にP&Gマフィアになれる裏ワザ
マーケティング界隈でとてもブランド力の強い「元P&G」という刻印。
激しい競争を勝ち抜き、グローバルなリーダーシップを発揮されてきたエリートだということで、辞めたあともあらゆる会社にパラシュートでCMOなり役員なりでスマートに入社されていって、活躍の幅を広げていらっしゃいます。
そして自分の実績に輝かしいバッジをつけ、マーケティングコンサルとして独立され、「P&G的マーケティング」をしていない会社にマーケティングをバサバサ指導していく。
もはやマーケター業界は「P&Gにいたかそれ以外か」みたいな空気がつくられていそうです。
P&Gに入社できなかったマーケターの方は「もう自分はマーケターとして輝かしいキャリアを歩めないんじゃないか、もう何してもダメなんじゃないか」と思っているかもしれません。
でもそう思うのはまだ早い!
これを言えば「元P&Gっぽいこと」をすぐに発言できる、という魔法の言葉を発見しました。勝手に。
会社でこの発言をして、元P&Gみたいになりましょう。
すぐに簡単にP&Gマフィアっぽいことを言える裏ワザ
結論をもう言ってしまいます。
それは、
「この会社の顧客層はAという狭いセグメントですが、Bという価値を拡大して、Cという新規層を取り込んで成長させていきましょう」
というセリフです。
この言葉さえ言えれば、元P&Gしぐさの第一歩を確実に歩めます。
(本気では言ってません、念のためですが)
P&Gマフィアの輝かしい過去の実績を見ると
P&Gマフィアと聞いて想起するのは誰でしょうか。
有名な方だと、
森岡毅さん(言わずと知れたUSJ復活の立役者)
西口一希さん(スマニューを経て顧客起点の本を書いた方)
伊東正明さん(元吉野家常務)
などではないでしょうか。
この3人、P&Gを辞めて移った先の企業でやったことを、
極限まで究極的に抽象化してしまえば、
それは「商品対象顧客層を広げて成長させた」に尽きると思います。
たとえば森岡さんは、
当時USJが「映画のテーマパーク」と自らを定義していたのを徹底社内抗戦して「エンターテイメント」と定義して、あらゆるコンテンツを取り込み顧客層を広げました(もちろんもちろん、他にもいっぱいあるだろとお思いでしょうが、本質の幹を抽出すれば、これだと思います。この結果、アニメやハロウィンやマリオも取り込めました)。
USJで森岡さんが言ったことを上のフレームに当てはめると、
「この会社の顧客層は映画好きという狭いセグメントですが、エンターテイメントという価値を拡大して、映画以外のエンターテイメントコンテンツという新規層を取り込んで成長させていきましょう」
(日本語は必要に応じて修正してください)
と言えるのではないでしょうか。
西口さんは、スマートニュースが自らを「ニュースアプリ」としていたのを、顧客ヒアリングを通じて受けが良かったクーポンチャンネルの新設を進め、「クーポンも情報だ」と定義し、クーポンチャンネルで顧客層を広げました。
スマニューで西口さんが言ったことを上のフレームに当てはめると、
「この会社の顧客層はニュース読者という狭いセグメントですが、情報を届けるという価値を拡大して、クーポン興味層という新規層を取り込んで成長させていきましょう」
でしょう。
伊東さんは、吉野家でいままで取れていなかった「女性層、主婦層」に対して広げるために、女性を明確に意識して店舗を増やしたり、ポケモンとコラボすることで子供への喚起を行い、顧客層を広げました。
吉野家で伊東さんが言ったことを上のフレームに当てはめると、
「この会社の顧客層は男性という狭いセグメントですが、早くて美味い飯という価値を拡大して、女性や主婦という新規層を取り込んで成長させていきましょう」
でしょう。
そう、結局やっていることは、
「この会社の顧客層はAという狭いセグメントですが、Bという価値を拡大して、Cという新規層を取り込んで成長させていきましょう」
の推進だと言えるのです。
マーケティングについては、あらゆる複雑な話や体系化された理論がありますが、結局、元USJの方が力を入れていることを抽象化すると顧客層の拡大がメインなのではないでしょうか。
もちろん、言うのは簡単です。
それを推進するためには、結局社内を動かす政治力、ブルドーザー力が必要です。事業側で推進するということは、言うのは易し、実際に動かすのは驚くほどに難しいものです。
しかし、まず大方針として意識しておけば、「元P&Gの人でも同じことやりそうだよな」と思えて、無駄なことに迷わずに施策を推進できるのではないでしょうか。
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