【予告】「土岐善麿とは何者か?」(仮)鋭意制作中!
土岐善麿(1885ー1980)は、歌人であり国文学者。ジャーナリストでもあり、駅伝の創始者でもあり、新作能の作者でもあります。そして何よりも、武蔵野女子大学文学部日本文学科の「初代」主任教授です。
1955年に日本芸術院会員に選ばれ、紫綬褒章を受章した善麿が、武蔵野女子大学文学部日本文学科主任教授に就任したのは、いまから約60年前の1965年(昭和40年)のこと。来年60周年を迎える本学の文学部は、善麿という「ひとり文学部」から出発しました(なんと当時80歳!)。
いまでも武蔵野大学では、4月になると聖語板に土岐善麿の〈ここに学ぶとはじめて立ちし校庭の花の四月の初心忘るべからず〉という歌が毎年掲示されています。
この歌は、土岐善麿が在任中に発刊された『むさし野十方抄』(土岐善麿著・大河内昭爾編)に収録されています。「日本文芸史」「仏教と日本文学」「詩歌演習」などの講座を持ち、教壇に立ち続けた土岐善麿には、武蔵野キャンパスで読まれた多くの歌が残されています。
文学部では「土岐善麿講座」を毎年開催しており、土岐先生の遺した新作能の研究や復曲などがつづけられていますが、大学全体では「土岐善麿とは何者か?」と思っている人も多いはず。ましてや世間的には、それほどその名前が知られているとは、言えないのではないでしょうか。
来年創設60周年を迎える武蔵野大学文学部では、「初心」に立ちかえり、土岐善麿にお詳しい先生方のインタビューや朗読などによる映像「土岐善麿とは何者か?(仮)」を制作しています。今週はその撮影や取材が、武蔵野キャンパスのなかで一日かけて行われました。
撮影の最後を締めくくってくださったのは、文学部一期生であり、かつては本学の教壇にも立たれていた青木馨子先生。紅雲台で、土岐先生の思い出を聞かせてくださったあと、書をしたためてくださいました。
さてどのような映像作品になるのでしょうか。文学部からは、岩城賢太郎先生、三浦裕子先生、大島武宙先生らが、参加されていますので、お楽しみにお待ちください。映像やインタビューを通じ、あなたが土岐善麿「通」になれる日も遠くないはずです。どうかお楽しみに。
1996年12月3日に行われた武蔵野大学国文学会での大河内昭爾講演会「土岐善麿・人と作品」の音声記録は、Youtubeでも聞くことができます。