しんどいから会社を休んだら、好きなアイドルの熱愛報道が畳み掛けてきました。

空調ぬるい。このカフェ。
鮮やかな緑がソフトクリームと混ざってパステルグリーンになっちゃったクリームソーダもなんか、どっちつかずな今のわたしの心情みたいで、なんともおあつらえ向きじゃないですか。
などと、感傷に浸りながら「へへ……」って自嘲が、隣の女の子に届いたみたいで、視線を感じます。
こんな大人になるんじゃないぞ。
アイドルの熱愛で情緒乱れるような大人にね。

最近、ちょっとばかし落ち込むことが多く、夏の暑さも手伝って、気持ちが萎れておりました。
幸い、お休みは取りやすい会社なので午後からお休みもらって、さあどこへ行こうかとTwitterを開くとともにお知らせされた、好きなアイドルの熱愛報道……。

あ、綾瀬、はるかさんと……!?

週刊誌の言うことなんぞ「プライベートのツーショットが出ない限り信じちゃなんね」というばっちゃの教えもあり、ふぅ〜ん……と見ていました。
キショいほど他人のプライベートに張り付き、虎視眈々と狙っているのが週刊誌。火のないところに煙を立てるお仕事とはわかっていても、なんだかマジっぽいです。
だって、ジェシーさんが「仲良くさせていただいてます!ズドン!」ていうならそうでしょ?
週刊誌の言葉は胡散臭くても、ジェシーさんがそういうなら信じますとも。
いや「ズドン!」ちゃうわ。って、思っちゃったけど。

わたくし、ジェシーさんに対しての「好き」は恋慕でなし、どちらかというと尊敬とか崇拝とかに、おそらく近いのです。
尊敬はさておき、崇拝はかなり危ないなと自覚はあるのでご心配なさらず……。
なので、彼とその周りのひとが幸せなら構いませんし、アイドルである以前に人間ですからね。これも「忘れちゃなんねえことだ」とばっちゃが言っておりました。
にもかかわらず、7月、酷暑の日差しの下、空だけ爽やかに青く、わたしの影は信じられないほど濃い。ぬるい風に、涙は乾く前に散り散りに舞うのでしな、泣いてる!?!?!?

泣いている自分に引きました。
チャリ漕ぎながら、号泣。
ふ、不審!

おまえは、ジェシーさんが幸せならそれで良いのではなかったの?

ああ、思いの外ショックだった。
まだ、わたしの、みんなのアイドルでいて欲しかったのだと思います。
身勝手なクソオタクのただのエゴ。
わかっていたはずですが、本当にはわかっていなかったから、涙が出るのかも。
でもね、勘違いしないでいただきたいの。
わたし、年齢に関係なく人を愛せるジェシーさんのこと本当にかっこいいと思いますし、あの天然ぽやぽやお姉さんの綾瀬さんとのやりとり、なんだか微笑ましいのだろうなあとも思うのですよ。
「10も年下のアイドルにきゃーきゃー言うなんて」卑屈になっていたところ、12も歳上の綾瀬さんと仲良くしているジェシーさん、という現実にほんのわずか希望もいだきましたし。
でも、希望はいつでも絶望のお隣。
綾瀬はるかさんではないわたしは、きっとこの先も歳下歳上関わらず、そう言う人に巡り合うことはないのだという、うっすらと目の前を覆う絶望感。
ああ…………。もう、本当に「ああ…」しか言えなくなっております。
カオナシ?

厄介なのは、オタクとしての人格は「リボルバー・リリー」で、お互い役では殺し合いながら、本人たちは惹かれあっていた、という事実に途方もない官能を感じてしまっていること。
忙しいわねぇ、感情が……。
我ながら、落ち込むか萌えるかどちらかにしてほしい。
でも、興奮しませんか? わたしだけかな。
だって……津山さんと百合さん、あんなに本気で殺し合っていて、でも演じている彼らはお互い、恋が芽生えていたのでしょう……?
殺し合う演技をしながら、どこかその目の奥に恋慕を隠していたのだとしたらもう、もう、まさしく秘すれば花。話として美しすぎる。わたしの好きなタイプの恋愛譚。
殺し合いの場面も、舞踏のように美しく思えます。
そして、綾瀬さんが天然ぽやぽやお姉さんであることは全国民が周知のところ、どちらが先に、など知る由もありませんが、もし、ジェシーさん(歳下)の好意に気付かず、いつも通りふにゃほにゃしている綾瀬さん(歳上)が存在していたらと思うとあまりにも可愛すぎます。
むずキュンかな?
気付いてほしい歳下、全然鈍くて気付かない歳上………くっ……………。
も、萌え〜でしてよ…………。
「新空港占拠」より、かねがね「歳上女性とジェシーさんの組み合わせ、いいな……」と思っていたオタク人格のわたしが大喜びしています。

ひとしきり、オタク人格がぶち上がったところで、ただのファンのわたしがまた顔を出し「週刊誌キショい。許さねえ」の気持ちと「そうか………彼女いないわけがないもんなあ」の気持ちでいっぱい。いっぱいなのになぜか空虚。
ファンとオタクを行ったり来たり。

でも……やっぱり気持ち整理させて欲しいかも。
ジェシーさんやSixTONESくんのこと大好き。
大好きだけど、やっぱり一旦ちょっと、しっかり泣かせてほしい。
この涙には、おめでとう!も彼女いるのかあもわたしは何をやっているのだろうもさみしいも全部ある、複雑な涙です。
ひとつだけわかるのは、そうは言ってもわたしはやっぱりジェシーさんが好きだなと言うことです。
「お!これは!担降りか〜!?」などと己を茶化してみましたが……まだ好きです。全然。
ジェシーさんの人生には、わたしは必要ありませんが、わたしにはジェシーさんが必要です。
存在も思想も全部好きですが恋をする条件に年齢が関係ないのも本当にかっこいいの。
素敵なの。
なんかもう、全部好きなの。
わたしがいくら「幸せになって」と願ったところで、なんの意味もないし、届かないし、願われる必要もなく全然、自分の力で幸せになれるひとなのだけど……やっぱり、幸せでいてほしい。
だって、好きなので。ジェシーさんが。

わたし、長年生きてきて、好きな芸能人に熱愛報道出たとてこんなに秒で泣いたことありませんよ。
アイドルのCD3形態買ったこともなかったし、数ヶ月でファンクラブ入ったこともないし、好きだなあと思っていたら社長になったし。
わたしの初めてを全部奪っていくのですね、ジェシーさんってひとは。

わたし、さくらんぼアレルギーなのですよね。
缶詰のはなんか、大丈夫なのですけれど。
クリームソーダに乗っている毒々しい真っ赤なさくらんぼ、今は食べる気しなくって、アレルギーにかこつけてぬるくなったクリームソーダの残骸に沈めました。
さくらんぼは、氷とストローの間で潰れて見えなくなりました。
さよならさよなら。
熱愛報道を知るまでのまっさらなときめき。

嶽本野ばらちゃん、曰く。
「どうしても振り向いてくれない相手を諦めきれないのなら、君はその人のファンになればよいのです」

そうよ、わたし、ファンだから。
ここまで読んでくれたあなたもファンだから。
生きる世界が違っても、彼の人生になんら関わりなくっても、やっぱりジェシーさんのこと、好きよね、わたしたち。

無害

とっても嬉しい!コーヒー飲ませていただきます☕