【インターン体験レポート】アンコンシャスバイアスってなんだ?
こんにちは、アントレプレナーシップ学部(EMC)2期生の清水茉瑚です。私はこの夏、多摩地区大学就職研究会(19大学)と多摩ブルー・グリーン倶楽部が共催する「多摩地区優良企業就職体験プログラム」に参加しました。そのなかで今回は、株式会社シーズプレイスさんにお世話になりました。10日間のインターンについてみなさまにお伝えしようと思います。
■株式会社シーズプレイス
株式会社シーズプレイスは、「幸せに『育ち・働く』をデザインし、暮らしに新たな価値を生み出す」ことを目指している会社です。立川市に拠点を構え、保育園併設型のコワーキングスペースを設立するところから始まり、公共施設の指定管理や起業支援、男女共同参画、児童発達支援など、事業は多岐に渡ります。しかし、この会社の凄いところは、幅広い事業をしていることや市政と連携していることなどではなく、働いているひとたちがみな生き生きとしていることだと私は思います。「幸せに『育ち・働く』」のは、誰かのためだけではなく、働く自分たちにも還元されている理念だと感じました。創業・就労、子育て・福祉、ダイバーシティ、地域活性化。どこに特化するでもなく、不便やもやもやを感じたら、まずはどの分野でも動いてみる。そんな素晴らしい会社です。
■10日間のインターン
今回は、他大学との合同インターンです。亜細亜大学、拓殖大学、東京経済大学のみなさんと4人での活動になりました。他大学の学生さんとお話しできる機会は貴重なので、とても楽しかったです。これから、10日間の詳しい活動内容をお伝えします。
■1週目 色んな事業があるんだなぁ
1日目
社長である森林さんによるインターンセミナーがありました。森林さんがどのようにしてシーズプレイス設立に至ったのか、これまでどんな人生を歩んできたのか、たくさんの貴重なお話を伺うことができました。
そして、インターン生4人で価値観を認識するカードワーク「エンゲージメントカード」を行いました。最初に7枚の手札が配られ、カードの山から1枚ずつ引いては捨てるを繰り返し、自分にとって重要な価値観の手札を残していくワークです。自分の価値観を見直すきっかけだけでなく、これからいっしょに活動するメンバーの考えを知ることができ、有意義な時間となりました。
2日目
翌日に開催されるイベントの準備をしたり、併設されている保育園の事務作業をしました。簡単だけど手間のかかる作業です。他にもたくさんの業務を抱える社員さんや保育士さんが、いつもこの作業を行っていることを考えるととても大変だと思いました。
3日目
「みらいのたね保育園」で実習をさせていただきました。この日はプール活動です。私は子どもが好きなので、ひたすらに子どもとじゃれるという幸せな実習でした。みらいのたね保育園では、子どもの自立をとても重視していると感じました。文字を書く姿勢、衣服の着脱、学習やお仕事(モンテッソーリ教育に基づく指先の訓練)など、印象に残る指導がたくさんありました。
4日目
児童発達支援「コペルプラス高幡不動」を見学しました。ここでは発達に凸凹のある未就学児の療育を行っています。ひと言で表すと「すごい」。
たとえば、フラッシュカードを使った療育では、カードを1秒に2枚の速さでめくります。物語風の流れになっていて、1枚に1つ絵が描いてあります。すべてめくった後、何がでてきたのか子どもに答えてもらいます。答える側を体験させてもらったのですが、正直10枚で精一杯でした。でも、50枚すべて完璧に答えられる子どももいるそうです。
発達に凸凹があっても、必ず強みを持っている。それを引き出すためにたくさんの教材をつかっています。最後に先生方にインタビューさせていただきました。「どんなに良い教材が揃っていても、結局は人と人の関わり。子どもの様子を見ながら、とにかくたくさん褒める!」この言葉が印象的です。先生同士も日頃からたくさん褒めあっている素敵な職場でした。
5日目
武蔵村山市の緑が丘ふれあいセンターにて、森林さんの創業セミナーに参加しました。起業のノウハウではなく、マインドを学びます。起業のもやもやが、楽しい!に変わったセミナーでした。
■2週目 自分たちにできることは何だろう
2週目はインターン生4人で、課題に取り組みました。その様子を以下でお伝えします。
■100人は同じでも、101人目は違うかもしれない
私たちは、「アンコンシャスバイアス」について取り上げることにしました。シーズプレイスでは、アンコンシャスバイアスについて教員向けの講習などもしています。
ところでみなさんは、アンコンシャスバイアスを知っていますか?「無意識の偏見や思い込み」のことを言います。たとえば、「男性は仕事、女性は家庭」「子育て中の女性に重要な仕事は難しい」というような、こういった性差による偏見も含まれますが、「A型は几帳面」「本を読む人は頭が良い」など性差以外ものも含まれます。そして重要なのが、「自分は大丈夫」「どうせ私にはできない」などの、自分へのバイアスも無意識の偏見であることです。これは災害時などに命の危険を引き起こしたり、自己肯定感の低下につながります。実際、御嶽山噴火のときの死者は、片手にスマホをもったまま亡くなったり噴火から6分後の動画が残っていたりしたそうです。「自分は大丈夫」そう無意識に感じていたことが避難を遅らせました。東日本大震災などでもそういった事例が挙げられています。
けれど、アンコンシャスバイアスを持っていること自体は悪いことではありません。誰もが持っているものです。問題なのは、自分の価値観・思い込みで他人を評価したり、誰か (自分を含む)の可能性を狭めたり、命の危険に気づかないことです。
アンコンシャスバイアスについて取り上げるにあたって、学生・社会人約100人にアンケート調査を行いました。その結果、アンコンシャスバイアスについて学生は「言葉としての理解」、社会人は「経験としての理解」であることが分かりました。これは社会経験の差だと思います。そこで私たちインターン生は、学生のころから”自分ごと”として捉えることができるように、教育分野に着目しました。
成果物の詳細は、10月末号の「むさしむらやま男女共同参画情報誌YOU★I」に掲載予定です。他にも、ポスターやSNS用のデザインをつくりました。
アンコンシャスバイアスの認知が広がり、それぞれが自分の可能性を信じて活躍できる社会に繋がる一歩になればいいなと思います。
■充実した10日間
私は初めてインターンに参加しました。小学生のころから障害児支援の分野に進みたいと考えていた私にとって、新しい世界の扉が開いたインターンでした。色々な事業を見学したり、体験したり、成果物をつくったり……。あっという間の10日間でした。そして、シーズプレイスは社会に新しい価値を生み出す、とても素敵で楽しくて居心地の良い会社でした。まだ設立して6年目とは思えないほどです。いっしょに活動した他大学のインターン生も優しくて時々面白い素敵な人たちです。またどこかで会えるといいなと思います。
以上私のインターン体験レポート、お付き合いいただきありがとうございました。
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