防災について考える㉓【正常化の偏見とは?~自分だけ大丈夫ってことはないよ~】
みなさん、こんばんは!
今回は、災害が起きても、自分だけは大丈夫となぜか思ってしまう考え方について、考えていきたいと思います。
たまに、ニュース等で次のようなことを耳にすることがありませんか?
大雨の時に川の様子を見に行ってしまい、人が流されてしまう。
このニュースを聞いていると、危ないってわかっているのになんで様子を見に行っているんだろうと不思議に感じますよね。
そのほか、自治体から避難勧告が発令されてもどうせ大丈夫だろうと避難をされない人も同様です。
これは、社会心理学や災害心理学などで使用される心理学用語で、「正常化の偏見」あるいは「正常性バイアス」と呼ばれる考え方です。どうやら人間は、自分にとって都合の悪い情報は無視するという特性があるそうです。
たとえば、1年間に交通事故で6,000人が亡くなっていると聞いても、自分がその中の1人になる可能性があるとはなかなか思えませんよね。ところが宝くじで1等1億円が6,000人に当たると言われると、そちらは当たるような気がしませんか?
このように、実に都合のいい考え方をするのが人間なのです。
実際に、”大雨時の河川は危ないから見に行かない”や”避難勧告が発令されたら逃げないと”ということは、頭ではわかってはいても行動が伴わない。矛盾を生じているわけですが、そこを認めたくない人は行動が伴わないことを正当化しようとします。
周りも動いていないとか、以前も似た状況だったけど大丈夫だったからとかの理由をつけて。
この正常化の偏見は、災害以外でも似たようなことが言えて、オレオレ詐欺等の特殊詐欺被害についても”まさか、わたしが被害に遭うはずが。。。”という思いもそうなんだろうなと。
では、この「正常化の偏見」を打破するためにはどうしたらよいのでしょうか。
先にあげた、”避難勧告が発令されても避難しない”で考えるならば、正常化の偏見が人の性であることから、そもそも簡単なことではありません。むしろ、「避難する」という経験がなければ、余計に避難できないでしょう。
そのために必要なのは、やはり日頃の訓練がものをいうのだと思います。
自治体の防災訓練に参加するですとか、地域の避難訓練に参加するなどして、平時から避難することになれることで、いざというときに避難することの抵抗を少なくすることができるようになります。
避難して何も起きなければ、それはそれで「何もなくてよかったね」で済む話です。ぜひ、みなさん、いざというときに正常化の偏見にとらわれないよう、日ごろから意識するようにしていきましょう。
さて、今日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございます。
これからもひとりひとりの防災力アップに役立てればうれしいです!
ではまた!
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