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Design me

常葉大学造形学部の望月琴未です。
大学では、UXデザインを中心に学び活動していました。

今回私は「Design me」というプロジェクト名のもと、卒業制作/研究をすすめました。「私生活のデザインプロセスを解明する」という主旨の卒業研究及び制作です。

1.この研究を始めたきっかけ

この研究を進めようと思ったのは、来年からデザイナーとして、異分野の人たちと共創(デザイン行為を)していく機会が多々あるんだろうな、と漠然と考えていたことがきっかけでした。

デザイン行為に抵抗があったり、馴染みのない人たちと、どうやったら一緒に楽しく未来を考えていけるのだろう、と考えた時に、ふと「デザインって何もデザイナーのものだけではないよね?」という「そもそも論」に辿り着きました。デザインはみんながすることだという前提について考えてみたくなったのです。
私の中で「デザイン行為」とは「評価と改良を繰り返して、人々や社会にとって新しい価値を探求し続けること」だと定義づけています。
デザイン行為を上記のように捉えると、人々の生活の中に沢山の「デザイン行為」が散らばっているように思えます。「デザイン行為」一口とってもあまりにも例が多すぎるので、今回の卒業研究では「人々は私らしさをどうやってデザインしているのか?」という文脈から、ノンデザイナー(デザインに馴染みのない人々)のデザインプロセスを解明するという研究を行いました。

本研究及び制作は「私自身が何か新しい価値や体験を作った」というより「前提としてある状況や営みに存在する理論を解明する」という趣旨の研究として、捉えて頂きたいです。

2. 研究/制作の内容

私は造形学部という学部に所属しているので、名目上は卒業制作です。よって、制作物としては冊子と映像を制作しました。
卒業制作展では個室を借りて、冊子の展示及び映像の上映を行いました。

今回は4名の方に計2時間程のインタビューを行い、「私らしさ」と「私らしさをデザインするプロセス/ルール」についてエディトリアル・インフォグラフィックスで解明しました。うち1名の方はエスノグラフィを行なって、映像での解明を試みました。
(大学ではUXデザインを学んでいたため、今回はリサーチスキル(インタビューや行動観察、リサーチデータの言語化や分析)を活用しました。)

3.研究/制作をしてみて

今回取り上げた4名以外にも、複数名にインタビューをしていましたが。総じて言えることは、意識・無意識にかかわらず、皆が評価と改良を繰り返して新しい価値を探求し続けている、ということです。ここでいう「新しい価値」というのは「より自分らしい姿、キャリア、生き方」です。これを世間一般ではセルフブランディングや人生設計、キャリア設計と呼んでいますが、行為として捉えてみると皆普段からよくデザイン行為を行なっていると言えるでしょう。
そして、人が違えばデザインのプロセスもルールも異なるということも、明らかとなりました。(このあたりについては、インフォグラフィックスで表現した。)

**4.展示をしてみて

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来場者からは
「デザインという言葉の捉え方が変わった。」
「デザインはデザイナーだけのものじゃないという考えにとても共感できるし、私もそういうことを研究しています。」
「そうそう、デザイン分かんない〜って皆言うけど、普段からやってるんだよね。気づかされました。」
「デザインという言葉を使わずとも、この映像を見たら「ああ、この人ってデザインされてるなぁ」って思えた。」
「デザインが、日常の行為に置き換えられるんだな〜と実感できた。」
「この考え方が、これからのデザイン業務に生かされていきそうだね。」

等々前向きな意見を頂きました。嬉しい....!

5.卒制を終えてみて

この卒制が自分にとって何だったんだろうと振り返ってみた時に、恐らく、4年間大学で学んできたデザインとは何だったのかをまとめあげた集大成なのかなと思います。デザイン学生と言っても私の場合は少し特殊で、産学官共同研究を数多くやらせて頂いていたので、大学にいるよりも寧ろ外部で活動していることの方が多かったです。

▲今までの活動の写真

分野を問わない様々なプロジェクトをこなしていくと、デザインって何なんだ、私は何でデザインが好きなんだ、なんでデザインしているんだ、と迷走してしまうのです。でも、活動していく中でいつも私が主語においていたのは人々や社会であって、それらのために新しい価値を探索し、作り続けて来ました。そんな姿勢や態度は、必ずしもデザイナーのものだけではなく、皆が持ち合わせる態度であってほしいとこの卒制を通して伝えられたらと思います。

最後になりましたが、今回この研究にご協力頂いた皆様、ならびにご助言を多く頂いた先生、大掛かりな準備を手伝ってくれた皆さんありがとうございました!

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