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創造したゲームのルールをプレイヤーに伝える順番


はじめに

 ゲームを作っていて、ゲーム自体がイメージ出来てきた際、それをどういう風にプレイヤーに提供していくか、具体的にどう見せていくか、について書いてみました。
 これは「作り手の視座とプレイヤーの視座」で書いた「ゲームのルール」と「ゲームの仕組み」それと「チュートリアル」についてもう少し書いてみたものです。

面白いと思うトコロから考えると

 ゲームを作ろうとイメージを膨らませていくと、面白いと思う箇所も膨らんで行く傾向があると思います。
 装備は充分、知恵を絞る謎解き、武器の強化、などなど、色々思いついていると思います。
 さて、ではそのゲームを始めからプレイするとしたら、どういう展開になるでしょう?
 もし「あ!」と思ったら、そこから考えてみるのも良い手なのではないかと思います。
 どの面白さからプレイヤーに提供していくか、その相互作用をどう伝えていくか。
 これが上手く伝われば、用意している面白さが全開になる途中で離脱するプレイヤーを少なくできるかも知れません。少なくとも伝わらないよりは、離脱するプレイヤーは少ない筈。

ゲームのサイクルを考えてみる

 少し複雑なゲームになると、何かを入手する、それを加工する、加工したものを使って局面を打開する、その先で何かを入手する、といったサイクルがあると思います。
 ゲームによってサイクルのパターンは様々ですが、あなたが作っているゲームのサイクルがどんなものか、具体的にイメージ出来ているか、確認するところから始めると良いと思います。
 おそらくそのサイクルは、各パートが独立して機能する「ゲームの仕組み」になっていると思うからです。つまり、そのサイクルは幾つかの独立した「ゲームの仕組み」が組合されて構成されている、という事になります。
 では、プレイヤーはどの順番でそのサイクルを始めると、混乱せずに理解できるでしょう?
 という事を認識するためにも、サイクルを具体的にイメージする必要がある、という訳でした。
 複雑なゲームでは、このサイクルがいくつもあり、またそれらが組合されてさらに大きなゲーム進行というサイクルに流れていく、という事もあると思います。
 サイクルについて考える際には、一度頭の中から出して、図に書くと理解しやすいと思います。

ゲームの進行を考える

 ゲームの序盤、中盤、終盤。ゲームがどのように進行していくか、を考える必要があります。
 当たり前の事ですが、面白い所から発想していくと、ゲーム進行という時間軸が絡む流れと微妙に離れている事がありますから、一度(しっかり)考えておくと良いと思っています。
 この辺りになると、物語性などとも関連してきますね。
 そして、先のサイクルがどの辺で登場してくるか、サイクルのどのパートが一番先に登場するか、などを組み込んで行きます。

ゲーム進行とそこで開示していくゲームのルール

 ゲームが進行していくと、ゲーム世界の事の他にゲームのルールもプレイヤーに伝える必要が出てきます。
 まず「ゲームのルール」を定義してみようと思います。

ゲームのルール

 ゲームのルールは「プレイヤーに開示されるゲームのルール」という意味で捉えています。ゲームの目的や行うと得られるメリットやデメリットについて大まかに説明するもの、という位置付けです。アーケードゲームの「遊び方」に近いものをイメージして頂けると良いかな、と思います。
 ですので、ゲームのルールだけではゲームを作る事は難しいです。
 ゲームを作る上で必要なのは、どちらかと言うと次の「ゲームの仕組み」の方だと思います。

ゲームの仕組み

 こちらは、ゲームの中で何かをしたらどういう反応が起こるか、というのが「ゲームの仕組み」です。
 ゲームの仕様書に書いたり、それをプログラムして実走したりして実現したもの、となります。
 ゲームのルールを実現するゲームの仕組みも、もちろんあります。
 ゲームエンジン自体ようがサポートして既に実装済みのものもあるでしょう。(物理演算など)
 これらは、プレイヤーが強く意識する事はあまり無い場合も多いと思います。あまりに当たり前すぎて、説明の必要もないものなどです。でも無いとゲームが成立しません。地上でのゲームでしたら重力はありますが、プレイヤーへの説明は不要ですよね?(でも仕様書ではきちんと定義しておかないと、後々トラブルの元となります)

開示していくゲームのルールとチュートリアル

 ゲームの仕組みと違い、ゲームのルールはプレイヤーがそのゲームをプレイする上で知っておく必要のあるものです。
 そのためゲームの進行に応じてそれをプレイヤーに伝える必要があります。
 あ、ここから落ちたら死にそう、というような直感的に認識できるものは除きます。(広義の意味では伝えるという範囲に入ると思いますが)
 そういうゲームのルールをプレイヤーに伝える手段としてチュートリアルがあると考えています。
 ここを押すと、こういう事が起こる、というようなギミックの説明。
 この場所では、こういう事ができる、というゲームシステム機能の説明。
 PCの特殊能力の説明と実際に使わせる箇所。
 などなどです。
 それらをゲーム進行のどの場面に配置するか、でプレイヤーに伝える順番が決まります。

ゲームを開始する前のUI

 今までのお話はゲームが開始されてからでしたが、ご想像の通りその前にゲームをインストールした後、起動した直後からのUIについても同様の検討が必要です。
 プレイヤーに開示した方が良い情報は何か、プレイヤーが選択しなければならない項目は、どの順番で提示した方が良いかなどです。
 選択しなければならない情報も、もしかしたらゲーム内で行う方が没入度を高める場合もありますから、そういう選択も視野に入れる必要があると思います。

おわりに

 このお話では主にゲーム序盤にプレイヤーに提供する「ゲームのルール」「チュートリアル」などについて記載しました。
 序盤以降のゲームのプレイするイメージはどういう風になるの?という疑問があるかも知れません。
 それについては、「ターン制RPG戦闘演算ノウハウ」という記事で記載しましたので、こちらをご参照して頂ければと思います。
 この記事があなたのゲーム作成の一助になれば幸いです。


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