コロッセオ グラディエーター(剣闘士)の世界
ローマのコロッセオを実際に観た後、当時の建物の雰囲気を少しでも知りたくなり映画「グラディエーター」を視聴しました。映画のネタバレややありです。
圧倒的なシンボル、存在感
西暦80年、ローマ市民の政治への不満を少しでもそらすため、ローマ人とユダヤ人奴隷数万人を使って10年弱かけて建設された娯楽施設です。
映画で「よくこんな建物作ったな。」みたいなセリフを言ってますが、実際、五万人ほど収容できるサイズは今のコンサート会場と同規模とのこと。娯楽場とはいえ、人と人、もしくは人と猛獣が殺し合うための場所であると同時にローマの権力、力を示すためのシンボルだったのではと思われます。また、観客席の配置も身分の高い順から低い順へ遠く(高い)の席になっており、直接的にもヒエラルキーが示されてます。
映画のラスボスもここで主人公に(卑怯な手を使ったとはいえ)無謀な闘いを挑んだのは、この力の象徴で勝つことにより権力を絶対的なものにしようと目論んだのでしょう。
高度な技術、良質な素材
これほど正確な楕円の建築形状が2000年前に建てられたことに驚きです。柱の形状がフロアごとに異なってたり、素材のコンクリートや大理石が2000年以上たっても残っており、当時の技術力の高さがうかがわれます。ちなみに今のコンクリートの耐久年数はおよそ100年と言われてます。
外側や壁の一部が欠けたり無くなっているのは、闘技場としての役目を終えた西暦500年頃、近くのバチカンのサン・ピエトロ大聖堂等の材料として使われたためなので、材料が持ち去られていなければ今なお当時の形状を保っていたでしょう。
地下は今、剥き出しになってますが、当時、猛獣の檻等に使われており、木製の床が貼られ、床がパカッと開いてライオン等が飛び出す仕掛けもあったそうです。その仕掛けは映画でも再現され、主人公が虎に食べられそうになってました。
今でもローマの重心
年間訪問者世界2位のコロッセオ(1位は中国の万里の長城)は、今でもローマ観光の中心になっており、入場時には酷暑にも関わらずかなり並びました。予約必須です。
ローマ中心のテルミニ駅からメトロ2駅くらいで着く都心に立地しており、今でも都市の中心として機能しています。東京にも皇居がありますが、歴史的に重厚感があるものが町の中心にあると空気に深みが増す気がします。
とにかく、これだけ巨体な2000年以上前の建造物は、やはり現地で見てこそ感じられることがたくさんあるので行った価値はありました。
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