時刻表に乗る vol.3
東京-大阪各駅停車の旅 No.1
時刻表に乗る旅への誘い
今回は、JR在来線の各駅停車を乗り通して東京から大阪まで行くという時刻表に乗る旅第1弾を敢行したいと思う。
時刻表と地図帳を眺めながら、列車から見える風景を想像し、通過していくその土地に想いを馳せながら行ってみたい。
実際に乗車するわけではないので運用車両などはフィクションとなるが、気楽にお付き合いいただければ幸いである。
〔表記の分け方について〕
※太字表記した部分については時刻表や地図帳などの事実に基づいた内容である。
※時刻表の羅列だけでは寂しいのでフィクションで私の行動や周囲の乗客の様子や風景を書き加えた。その部分は細字表記となっている。また、歴史的背景の描写や街の紹介などは事実に基づく内容である。その部分は時刻表には無関係のため、細字表記となっている。
1.~旅の始まり 東京-三島①~
● 2021年10月、東京駅9番線のホームには東京5時20分発沼津行(321M)列車が10両編成で停車している。
今日は日曜日。以前から計画していた時刻表旅のうちの一つを遂行するために大阪へ向かうこととする。
最近ではすっかり日が短くなり、まだ日の出前のホームは煌々とLED照明が輝いている。日曜日のため人はまばらで、街全体もまだ眠りから覚めていないようだ。
朝早いため、コンビニでおにぎりとパンを買い込んで列車内で食べようと思っていたが、E231系電車はロングシート主体の車両であり、ロングシートで飲食するのは気が引けるなと感じながら座る席を探す。幸いなことに、編成前方にボックスシートのある車両を見つけ、そこに腰を落ち着けることにした。
● 定刻5時20分、沼津行の列車は軽快な車輪の音と共に東京駅を出発した。
静かな品川を過ぎ山手線が右側に別れ、その車両基地を右手に眺めつつ、薄暗い雑居ビル群の中を進むと、蒲田に近づく。
時刻は5時40分。この時間になってようやく左側の窓が白み始める。
● 川崎を過ぎると右手側から横須賀線が合流し、一緒になって横浜方面へと向かう。横浜に近づくと大船からやってきた特急成田エクスプレス1号とすれ違う(すれ違いポイント①)。向こうは、横須賀線を経由して7時頃成田空港に到着するはずだ。
秋の海外旅行シーズンなのか、それなりの乗車率のようだ。
● 横浜を過ぎ、大船で左手に横須賀線を見送ると、東海道本線は列車線と貨物線の複々線になる。左手方面に見えるJR東日本鎌倉車両センターにはまだ眠りについている横須賀線の車両たちが並んでいる。藤沢に到着すると左手側に小田急江ノ島線の藤沢駅があり、相模大野方面と片瀬江ノ島方面に向かう列車が仲良く並んで発車の時刻を待っているのが見える。
あちらも日中であれば湘南・鎌倉観光の客で賑わうのであろうが、まだ朝早いためか客はまばらなようだ。
● 相模川にかかる大きな橋梁を渡り平塚に到着。到着の直前ではるばる出雲と四国からやってきた日本唯一の定期寝台特急サンライズ出雲・瀬戸号とすれ違う(すれ違いポイント②)。東京には7時8分到着予定だ。
時刻は6時23分、間もなく大磯に到着する。朝も早かったためやはり眠い。少し目をつむることにした。
次回へつづく
[本文内使用写真]フリー写真素材pakutaso.com
【今回のルート】
【今回のダイヤ】
JTB小さな時刻表2021年秋号よりダイヤグラムを書き起こししております。ダイヤグラムを見ると乗車列車(黒太線)と上り方面特急列車(赤線)がその交点ですれ違い(青〇表示部分)していることがわかります。