時刻表の楽しみ方 vol.1
まず初めに、私が書いているnoteの趣旨について改めてご説明したいと思います。
私がnoteをやっている理由は、
①時刻表というやや縁遠い書物を
皆さんにとって身近な存在に思ってもらえるように
その魅力を伝えたいという想い
②鉄道というツールを利用して
日本の様々な魅力を再発見し
みなさんと共有したいという想い
というただその2点です。
鉄道好きの人間は世の中にかなりの人数がいると思います。「撮り鉄」「乗り鉄」「模型鉄」などなど、いろんなジャンルがあります。
近年では、一部鉄道マニアの常軌を逸した行動が、世間から冷たい目で見られています。
私も確かに「時刻表鉄」(という分類があればそこに当てはまると思いますが)で、鉄道マニアの一種ですが、昨今のような現状には強い危機感を抱いています。
どんな理由があったとしても、
自分中心の行動を取ってしまった時点で
それは他人に迷惑をかけること
であり、
決して許されることではない
と思っています。
世間では「鉄オタ」と聞いただけで、毛嫌いされるような評価を受ける、そんな深刻な事態にまできてしまっていると思います。
そのような評価を覆していくには、私も含めそれぞれが自己を顧みて、自分の行動をうまく律していけたらよいのではないかと強く感じます。
そうすればきっと世間の評価は変わっていく、そんなことを信じて自分の信じる道を進んでいけたらよいのではないでしょうか。
少しきれいごとを並べ立てて申し訳ありません。
そんな私のnoteにいつもお付き合いいただき、本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
それでは本編に参ります!
1.単線路線と複線路線
鉄道の路線には大きくわけて二種類の路線があります。
Ⅰ.単線路線
駅や信号所以外の場所では線路が1本しかなく、上り方向、下り方向で1本の線路を共有しています。
方向の異なる列車のすれ違い(行き違い)は線路の2本ある駅(下図(図1))の駅Aのような駅)や信号所でしかできず、駅Bのような駅では当然すれ違い(行き違い)はできません。
そのため、駅Aのような駅では反対方向の列車が来るのを待ったりする必要が出てきたりして、時刻表上に時刻のロスが生じてきます。
時刻表では大きな主要駅では列車の発着時刻が記されていますが、一般駅では発車時刻しか記載がなく、時刻表だけ見ると、隣駅との時刻が妙に間延びしているような部分があったりします。
そのような箇所を見つけることができれば、
「なるほど、ここでもしかしたら対向列車を待ち合わせしてるのかな」
との推測がたってくればしめたものです。
対向列車の時刻を確認して、発車時刻が同じ時刻もしくは近い時刻になっていれば、間違いなくその駅で待ち合わせしてすれ違い(行き違い)が実施されたのだとわかります。
ちょっとした謎解きをしたような妙な満足感、
それでよいのです。
Ⅱ.複線路線
線路が2本あり、上り方向、下り方向の方向別に列車を走らせることができます。駅、駅間の走行中、どこでもすれ違い(行き違い)が可能で、たくさんの列車を走らせることが可能です。
複線路線での時刻表の見所は、同じ方向に走る速度の異なる列車の存在です。速度の速い特急列車などの前に速度の遅い普通列車が走っていたりすると途中で追いついてしまいます。
そのため駅Bのような待避設備を持った駅で、遅い列車が待避線に入り、後から来る早い列車の通過を待ったりします。
同じ主要駅を普通列車が先に発車し、後から特急列車が発車しているのに、次の主要駅では特急列車のほうが先に到着している箇所などをみつけることができればしめたもの。
「なるほど、どこかの駅で普通列車が特急列車に追い越せされるために待避しているのだな」
との推測がたつわけです。
単線路線か、複線路線かで時刻表の見方が大きく異なってくるのでその区分は時刻表を分析する上では重要なポイントとなります。
2.単線路線と複線路線の見分け方
時刻表には巻頭に、さくいん地図という全国の路線図が掲載されています。このさくいん地図を見ると、路線が2種類色分けされているのがわかります。黒と青で色分けされているのです。(下図(図3)参照)
凡例を見ると、黒は「幹線」青は「地方交通線」とだけ記載されています。これは国鉄末期に制定された「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法」(国鉄再建法)に基づき色分けされたもので、簡単に言うと、キロあたりの運賃の計算方法が異なるものです。
その当時の輸送密度をもとに色分けされており、ざっくりいうと輸送密度の高い路線を「幹線」、低い路線を「地方交通線」としています。
これを拡大解釈すると、「幹線」は〇〇本線級の主要路線、「地方交通線」はローカル線、、、主要路線は複線路線、ローカル線は単線路線。。となれば話が速いのですが、必ずしも「幹線」が複線路線とは限りませんし、「地方交通線」でも複線路線の箇所はあります。
では、どうやってみわけたらいいのだ!という話になりますが、ここまで長々と講釈を垂れてきて恐縮ですが、時刻表を一目見て、ここは複線路線、ここは単線路線と見分ける方法は残念ながらありません。
ただ、割合として、幹線は複線路線の割合が高く、地方交通線は単線路線の割合が高いことは事実なので、類推するための参考にはなります。
あとは、時刻表そのものを分析して、判断していくしかありません。
ちなみに、これは、チートなやり方ですが、私の愛用している「全国鉄道地図帳」(昭文社)には、複線、単線の別が地図上に表記してあり、大変参考になりますが、そこまでいくとただの鉄オタの自己満足の世界になってしまい、今回の記事の目的とは離れてしまいますのであくまで参考程度に利用します。
次回以降、時刻表の分析をみなさんと一緒にしながら、
時刻表の楽しみ方
をお伝えできたらと思っております。
次回へつづく
〔参考文献〕
・JR時刻表2024 7月号 (株)交通新聞社
・全国鉄道地図帳 昭文社