地方鉄道活性化への提案 vol.1
はじめに
今回のシリーズは今までのものとは少し毛色の変わったものです。
景気は回復してきていると声高に叫ぶ人たち、本当にそう感じているのでしょうか。確かに、大都市部はそうかもしれません。
東京一極集中の現状がある以上致し方ない部分も多少はあるかもしれません。
東京以外の地方は元気でしょうか。私には、そのようには見えない部分が多く感じます。人が減り、シャッター通りの商店街。そのような状況を少し東京から離れるだけでよく見かけます。
2024年問題、トラックドライバーが不足するというニュースがありました。
鉄道業界の話題でいくと、北陸新幹線敦賀開業など、おめでたいこともありましたが、現状、新幹線では旅客しか運ぶことができません。
新幹線が開業する度に勃発する「並行在来線問題」。現状の利用客が少ないというだけで、どんどん切り捨てをしてしまって大丈夫なんでしょうか。
2024年問題は、鉄道貨物を有効活用するだけで解決する問題ではありませんが、鉄道貨物も解決の一端を担うことは確実です。
そんなときに、在来線がばらばらになってしまっていたら、どうやって貨物列車を運行することができるのでしょうか。
どんどん進む高齢化社会。地方の足を切り捨ててしまって大丈夫なんでしょうか。決して、鉄道だけで解決する問題ではなく、バスなども含めた公共交通の在り方を真剣に考えていかなければならないのではないでしょうか。
そんな、根底にある問題意識の中から、私に提案できることは、やはり、鉄道に関するものです。
苦労している地域は、日本全国津々浦々にあることでしょう。地域活性化のために、まずは、地方鉄道活性化を考えてみてはどうでしょうか。
●今ある地方鉄道を生かした、何かしらの施策を考える
●今あるものに追加の設備投資をし、活性化を図る
この二つの観点から、全国のどこかしらの地域にスポットをあてて、実現可能かどうかはわかりませんが、地域活性化の議論の発端になることを願って、提案をしていってみたいと思います。
私は、その地域に住む人間ではないので、地域の特性や、デリケートな部分を鑑みずに話をしてしまう可能性がありますが、そのあたりはご容赦いただければありがたいです。
1.静岡県東部地域の活性化~JR御殿場線複線化~
いろいろ地図を眺めながら、第一弾の地域をどこにするか、悩みに悩みました。
悩んだ末に、選んだのは、静岡県東部地域を縦断する、JR御殿場線を取り上げてみたいと思います。
①JR御殿場線の現状
・一日の乗降客数、御殿場駅(8000人程度)、松田駅(5000人程度)、裾野駅 (4000人程度)、その他の駅は(2000~3000人程度)(※沼津駅は除く)
・小田急電鉄からの乗り入れる特急ふじさん号 1日2往復(新宿ー御殿場)
・新宿ー御殿場間の高速バス利用は堅調。一時間2本程度、ほぼ満席
・御殿場駅周辺には、御殿場プレミアムアウトレット(年間1000万人来場)
・岩波駅周辺には、トヨタWoven City 建設中(2000人居住予定)
・沼津駅周辺には、ららぽーと沼津(年間500万人程度来場)
・3施設共、車での来場がメインだが、周辺鉄道の整備次第によっては鉄道利用者が増える見込みはあると思われる。
②提案事項
●御殿場プレミアムアウトレット及びららぽーと沼津周辺に専用駅の整備
(ららぽーと沼津は線路上から若干離れているので新線を引く必要あり)
●御殿場プレミアムアウトレットから最低限沼津までは複線化。
御殿場線はもともと東海道本線だったため、複線用地は確保されている また、沼津駅周辺は高架化の予定もあるため、それに合わせて工事も可能
オプション事項
●松田駅から複線とし、小田急電鉄からの乗り入れ本数を増やす
●ふじさん号の終点を沼津以降(例えば修善寺)とし、伊豆観光とも結束点を増やす
●沼津駅に小田急専用ターミナルを作る→ららぽーと新線は小田急が整備
③まとめ
今回の提案によって実現できるのは、地域の足の充実化及び2大商業施設を直に結ぶことにより、大きな経済効果を生み出すことが期待できるのではないかと思われます。
鉄道運行が充実することにより、普段の利用者が車利用から鉄道利用に切り替わることも想定されるため、単純に、現在の利用状況だけで判断することはできないと思います。
鉄道運行部分については、JR東海様と小田急電鉄様で新しい相互乗り入れの形を築いていっていただけたらおもしろいのではないでしょうか。
了
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