雪平鍋 ~ゆきひらなべ~
昨日のお客様との会話のなかで、ポンとでてきたこの言葉。
雪平鍋。
「やっぱり雪平鍋が一番使いやすいのよね~」
「あ~!ゆきひ…ゆきひら……なべ??」
調子を合わせて聞き流してしまおうかとも思ったけど、思いきって聞いてみる。
「あの~雪平鍋ってなんですか?」
「あら、若い人は知らないわよね~。ほら、木の柄がついてて表面に凹凸があって、、」
てっきり老舗の鍋メーカーのブランド名かと思ったら、鍋の種類のことだった。
それにしても雪平鍋って素敵な名前。
鍋に雪になんて、なんて粋な発想なんだ。
気になったので一緒に働くスタッフにも。
「ねぇねぇ、雪平鍋って知ってる??」
一人だけ知っているスタッフがいて、どうやらその表面の凹凸というのは熱伝導性を高めるためのものらしい。
その後も「ユキヒラナベ」という響きが頭から離れず、帰りの電車のなかで検索。
フタのない中程度の深さの片手鍋。軽く、熱伝導率の高いアルミ製が主流ですが、アルミはやわらかく、あまり強度がないという欠点があります。そこで、鍋の表面を凹凸状に打ち出すことによって強度を上げるとともに、表面積を増加させて熱伝導率を高めています。汁の注ぎ口が、左右両方に付いているものがほとんどです。鍋を使うほとんどの日本料理に対応する、一種の万能鍋と言えます。(ニトリ公式通販HPより)
こんな鍋。
拡大するとこんな模様。
(上の2枚とも、谷口金属 和の職人 深型 ゆきひら鍋 18cm 日本製)
そして気になる名前の由来は…
かつては、お粥を炊くのに用いた深い土鍋のことを「ゆきひら」と呼んでいましたが、長い年月を経て、時代とともに変化しました。 最も代表的な和風鍋である現在の「ゆきひらなべ」は、「雪平鍋」「行平鍋」とも書き、名前の由来にもいくつかの説があるようです。 ひとつは、在原行平(ありわらのゆきひら)が、海女に海水から潮を汲ませて塩を焼いた故事にちなんだという「行平」説。 その時用いた鍋に白い塩が現れてきて、それが雪のようだったという「雪平」説。 また全く別の説では、鍋の打ち出し模様が雪のように見えるということで「雪平」の名がついたとも言われています。(ニトリ公式通販HPより)
なんと!在原行平からきているのか!
昔授業で在原業平を習ったのは(かろうじて)覚えているけど、そのお兄さんだったのね。
行平鍋。雪平鍋。もうきっと忘れない。
雪化粧。綿雪。雪明かり。雪見大福。
雪という言葉がもつ響きが好きだから、私はこっちで覚えよう。
雪平鍋。
あのお客さんのおかげで、ひとつ、かしこくなった。
知ったかぶりしなくてよかった~!笑